493 :
475だったっけ?:
皆さん、久しぶりです。年の瀬も迫ってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
今日は、経済に関するコラムではないのですが、面白かったのでのせます。
破壊工作
「ジェームス・ベーカーが最近疎遠になっている米国の同盟国とイラクに関する
債権放棄の交渉をしにイラクに発ったまさにその瞬間、米国国防次官は
「Determination and Findings」と題された声明を発表し、これらの同盟国
をイラク復興事業に関する入札から除外すると発表するにとどまらず、
この声明のトーンはかなり強硬なものになった。何がおきているのだろう?
どうやらブッシュ政権内部の強硬派はイラク復興を失敗させたいようである。
この声明の目的は単にイラクの利権をブッシュ政権の縁故企業のためにばら
撒くことを目的とした単純なものではない。勿論、ハリバートン社はイラク
で潤っているし、ベクテル社が誇る学校修復計画にもスキャンダルが発覚し
たようだ。」
494 :
475だったっけ?:03/12/13 10:46
「私は対イラク戦の目的は利権であり、テロリストを根絶することでは
ないと主張してきたが、更に深い目的が強硬派にはあるようだ。
復興事業の利権に関するウォルフォウィツの表向きの方針は恐ろしく
ひねくれており、「最良の利権に関する入札を限定的にすることでイ
ラクとイラク後に起こりうる事態に備え“国際協調”を促進するもの」
だそうだ。つまり、米国は賄賂を使って他国に軍隊を派遣させること
が出来るというものだ。
しかし、私はこれが同氏の本音だとは思っていない。昨年、米国は経
済政策を政治的に利用することには限界があることを学んだ(鉄鋼に
関する関税で譲歩することで国連の承認を得るのに失敗したこと)。
イラクに関するわずかな利権をばら撒くだけでは同盟国が軍隊を派遣
することをしないことぐらい同氏は分かっているはずである。
利権が政治的なてこにならないのは分かっているが、何故同氏とその
一味はわざわざ同盟国との関係修復を妨害するようなことをやるのだ
ろう?恐らく、同氏は関係修復など望んでいないのであろう。」
495 :
475だったっけ?:03/12/13 10:48
一国主義と先制攻撃を政策の柱とする「ブッシュ主義」の立案者にと
って、今はつらい時期である。チェニーやラムズフェルドにとって、
イラクは彼らが正しいことを確信させ、他国の体制も矯正することが
出来るとする(ウォルフォウィツのいう「イラク後に起こりうる事態」
のことだ)、新米国世紀の叩き台になるはずであった。
しかし、事態は困難になってきた。また、多くの事情通は、ベーカー
の行動をブッシュを政権内の強硬派から切り離そうとする、初代ブッ
シュ政権の老練者による作戦の一部だと見ているようだ。利権に関す
る方針が原因でベーカーの作戦が失敗すれば、これは強硬派にとって
は良いことである。
強硬派による「政策海賊行為」にはさまざまな前例がある。例えば今
年の8月に起こったことである。パウエル国務長官は、北朝鮮と戦争
をする気がないのであれば、交渉を行うことは理にかなっているとブ
ッシュに言い聞かせ、ブッシュはこれに応じかけた。しかし、「国務
省のネオコン男」として知られるボルトンはそのときに金正日につい
てのスピーチを行い「恐喝に屈することは恐喝者と他の潜在的な暴君
を勇気付けるだけである」と語った。」
496 :
475だったっけ?:03/12/13 10:49
「今回の外交的ないざこざは、タカ派が利権を上手く利用し、共和党
穏健派の手に外交政策の主導権か渡ってしまうことを阻止しようとす
る、政権内の権力闘争を反映しているようだ。今のところこの闘争は
タカ派の方に分があるようで、ブッシュを「善VS悪」というモラル
の理屈で丸め込んでしまった。ブッシュは昨日「これは単純なことだ。
米国人と米国の友人は命をリスクにさらしているのだ。事業契約はこ
れを反映した形になる…」と語った。
世界を力で支配するという「ブッシュ主義」はいずれ崩壊するだろう。
今回我々が見たものは、強硬派がいかに強行かつ汚い手を使ってこれに
抵抗するかということである。」