>>761 また、インフレになると金利が上昇してスタグフレーションになるという説
があるが、これは「実質金利=名目金利−インフレ率」というフィッシャー交換式
において、インフレ率の上昇と同時に名目金利も上昇するというフィッシャー効果
がその論拠となっているが、これにはあやまりがある。なぜなら、不完全雇用下で
(=デフレ・ギャップが存在するときに)は、名目金利は、インフレ率ほど上昇し
ないのである。名目金利が、インフレ率ほど上昇しなければ、実質金利は低下する
ことにより景気の回復を後押しすることになる。
これはデフレによって企業・家計は資金余剰主体になっていて(内部保留の存在)
、インフレ期待の上昇によって企業・家計が支出を増加させるとき、内部留保を切
り崩して支出するからである。よって銀行貸出の伸びは景気回復に遅れるのである
(=銀行貸出による資金需要はそれほど伸びない)。
これは、デフレ・ギャップが存在するときに、名目金利はインフレ率ほど上昇しな
いということと整合的である。