2002年、日本は破綻する! part10

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歴史上繁栄した文明も、いつかは必ず経済衰退から財政破綻・民衆蜂起で
幕を閉じる。これは、実物貨幣の供給が経済発展に追いつかなくなるため。
実物に縛られた通貨は、経済の発展に伴い、金融引き締め圧力を持つよう
になる。そのため、あらゆる文明は経済が立ち行かなくなり、戦乱が生じ、
生産力が破壊されて、別の文明が勃興するという歴史を繰り返してきた。
後に、硬貨から金などの預かり券の紙幣に移行する事で、金の量以上の
通貨を発行するようになるなどして、この問題をクリアしてきた。

昭和の世界恐慌も同じだが、外国為替が影響を与えた。平価切下げ予想に
伴う金の流出から生じた、兌換性への不安が金融引き締め効果を生み、経済
の持続性に不安を与え投資を減少させる結果を生んだ。この過程で金兌換性
が廃止され、管理通貨制度に移行した、通貨供給が多めに推移した事が、
その後のインフレ気味の経済安定を生んだ。

そして、現代。レーガノミクスの失敗の手助けを求められた日本が、ドルの暴落
阻止のため極端な低金利=金融緩和をする事になった。その結果、世界中に
日本の銀行が進出し、あちこちでジャパン・マネーが投資を行う事になった。
そして、強くなりすぎたジャパン・マネーを拒絶するためにオーバーローンという
欠点を突いたBIS規制が導入された。これにより預金創出機能にキャップが
つけられ、日本は極端な金融引き締め状態に陥ってしまった。日銀の緩和策
とは別のところで金融引き締め圧力がかかっているのだ。

これが、今の不況。BIS規制はG10の各国銀行が守っている指標だ。そのため
現在は世界的にデフレ圧力が生じつつある。通貨は、通貨には価値があるという
幻想の上に成り立っている。その供給量は必要量を満たしていなければならない。
実物経済に対して縛りをつけようとする会計的あるいは法的な発想は、通貨の
本質を無視した空論に他ならない。