114 :
(´_ゝ`):02/09/29 19:58
これは岩井の「貨幣論」の中にある話だが、
pecunia はラテン語で、貨幣を意味する。そして、それは
家畜の意味を持つ pecu という言葉から派生したと記されている。
伝統的な比較言語学で、
pek-には羊を指していたが、その範囲が拡大して家畜全体を意味し、
さらに家畜を多く所有することが豊かさの象徴であったということから
貨幣という意味を持つ派生語が生まれたという。
しかし、この説は支持できないという人がいる。
古代のラテン語をくまなく探しても pecunia という言葉は貨幣という意味しかもたず
家畜の所有に関連する用例は見出されないのである。
逆に、もっと古い用法を調べると、pek-という言葉そのものが
はじめから経済的な価値、自由に持ち運びできる財産を意味していたのである。
その後、牧畜社会の中で家畜が最も重要な財産であることから、「家畜の所有」
を示すようになり、家畜→羊という特定の意味を持つようになったというのである。
つまり
羊→家畜→貨幣 ではなく、
貨幣→家畜→羊 というように、一般的意味を持つ語から特定の現実を指すのに用いられている。
115 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/09/29 19:59
やや古い本だけど「マネー5000年の歴史」とやらを
扱ったこんなのがある。図書館でみかけたら読んでみそ。
関岡正弘著
マネー文明の経済学
ダイヤモンド社 1990
116 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/09/29 20:19
ローマ時代。
ローマ成立以前から、引き継がれた貨幣はローマでも引き続き鋳造された。
マケドニアでは、1金貨12銀貨という12進数をとっていたが、ローマ時代
では10進数を採用。この計算にしやすさは、爆発的に経済拡大を促進した。
金脈は、中近東に多く、地中海には少ないらしく、ローマ帝国はおのずと
金の産出の限界に悩まされた。
ローマ帝国初中期のころには、増加する国民に対して、貨幣金貨がおいつ
かず、供給に対して、需要が下回るというデフレーションが恒常化した。
変わって、ローマ中後期ころ、デフレをすでに脱出はしていたが、皇帝には、
消費を抑える神の手はなかった。浪費である。
その代表的な浪費が皇帝ネロである。ネロのころがもっとも激しく改鋳を
行っており、当初より実に70%も金の含む量を減らしたそうな。
ローマ帝国は、その後に激しいインフレーションに襲われることに
なった。
後に5賢帝時代や後々の皇帝は、この通貨財政政策を改めるべく、
通貨改革を行った。
その最もたるがコンスタンティヌス帝である。コンスタンティヌスの
ころには金の純度が非常に高い貨幣が流通し始め、経済が安定した。
しかし、コンスタンティヌスはもうひとつ強烈の通貨を手に入れること
になる。キリスト教への入教である。
弾圧から一転、ローマ国教となったキリスト教は、その共通の文化圏を
手に入れ、いよいよその絶頂を迎えることになった。
時は変わって、ローマ帝国崩壊後。
流入してきた民族には、商取引という概念がないようだった。
ローマの都市文明は崩壊し、人々は生産地に近い、農村部に
住み始める。暗黒時代の中世時代へと時代が移り変わっていく。
ヨーロッパでは貨幣制度が崩壊した。
日本でも飛鳥時代が終わり、武士時代になると貨幣制度が崩壊。
東西分裂後のローマは、東は”ビサンツ帝国”1000年として、
引き継がれた。
ビサンツ帝国では、それまでのローマ帝国にならって、ビラント金貨を
発行。多いに商業活動を発展させた。
当時の、金貨純銀の威力はすさまじく、イギリスの思想家はこれを指して
「中世のドル」と言った。事実、地球中を廻ったとか。
しかし、金鉱には自然の限界がある。ビサンツ帝国が金欠乏に陥ると
いよいよ貿易によって金流入を行うしかなかった。
隣のヨーロッパとアラブとの中継貿易を担った、ビサンツではあったが、
アラブからの貿易攻勢は凄まじく、貿易赤字が恒常化した。
金の流出は止まらず、後に十字軍遠征を挟んで、ビサンツは歴史の1ページ
から消える。
その後の商圏を握ったのが、アラブである。
ビサンツ帝国、存在中。彼らはいわば世界紙幣のコピー機を
握ったも当然なのだが、しかしながら問題は本質的な価値とは
なんだったのだろうか?
ということ。
ビサンツ帝国につみあがった、大量の金塊はナニを意味していたのか?
金にしろ紙幣にしろ、金融関係者にとっては使わなければ、意味が
ないのではないかという疑問がつねに付きまとう。
通貨の番人としてのルールを握ったものの、反面、デフレーションの
リスクにつねにさらされる。
金貨は流通させてこそ金貨なのである。
119 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/01 18:02
>>103 とりあえず突っ込んでおきます
>>元素記号 G は固く劣化しないので、今日まですべてなんらかの形で残っている。
金はAuやっちゅうねん!
120 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/01 20:28
あう。
ばい KDDI
どうして歴史の上にお金が生まれたのか
太陽 酸素 海 風 もう充分だった筈でしょう
123 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/02 13:02
希少金属の金は宗教と密接に結びついてる。
銀は変色し易いので、普遍性のシンボルとしては不適。
価値の普遍性は神により保証されていなければならなかったが、
それを抜きにして黄金の特性は人のインスイピレーションをかき立てる。
124 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/02 13:14
>122
十分どころか過剰だったからでしょう
〉122 お金がほしいのはお互い様で〜
126 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/02 14:37
今は金は紙でできてんだから
生産力に見合うだけどんどん刷ればいいのに。
128 :
(´_ゝ`):02/10/02 21:32
>123
返答ありがとうございます。銀よりも金なのね。
栗本の本を見たところ、超越的な(神的)、絶対の存在として
古代→神仏
中世→移行期
近世→貨幣
がその時代の代表になっているという遍歴を見つけた。
今でこそ貨幣は使用価値・交換価値を中心に述べられるため、その材質は
こだわられていないけれども、
古代で金が絶対視されたのは
>価値の普遍性は神により保証されていなければならなかったが
ということに由来するのですね。
129 :
名無しさん:02/10/02 21:35
価格は、いつごろつけられたんだろ?
131 :
(´_ゝ`):02/10/04 18:09
>130
結局、権力者=中央政府が自らの権威を示すために、
貨幣を用いた、と考えられませんか?
古代ローマでは、支配者が変わるたびに昔の通貨が廃止され、
新たな通貨が流通するようになっています。
ところで
>126
>今は金は紙でできてんだから
>生産力に見合うだけどんどん刷ればいいのに。
これが資本主義になってからの考え方ですね。
通貨の性質が資本主義の前と資本主義とでは大きく変わっています。
生産力っていったいなんなんでしょうか?
生活に必要な分だけの生産量ではよくないのでしょうか
っていうか、そもそも
現在のゴールドの量の貨幣空間では
地球人60億人が食っていくのは無理かと思われ
133 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/04 18:19
>132
まあ、現実的にはそうなのだが。
実際毎日5000人近くが餓死でなくなっている世の中だからね。
不況だ不況だと騒いでいるけど、生きていけるだけましだよ日本は。
134 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/04 19:01
毎日100人近く自殺してるぞ・・・日本
135 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/04 22:35
っていうか、ゴールドは食えないと言う認識のほうが
より普遍性を持つなのではないか?
>135
なるほど ・・・・・
だから、世代を超えて 交換媒体として機能しうるか・・・。
一理ある。 おーい、矢魔蛇君。ざぶとん1枚あげてください。
137 :
(´_ゝ`) :02/10/07 22:59
>135
確かに。他に使い道がないことが貨幣らしいといえば貨幣らしい。
もっとも家畜とか奴隷とかも貨幣代わりとして機能していたけどね。
どうも貨幣の発生を求めるのは、神がいるかいないかの問いと同様みたいだ。
しかし、岩井さんのように不可知論ですますのもどうかと思ったりするし。
あと、交換という行為は非常に呪術的であることが読んでいるうちに分かってきた。
クラ交換面白いね。
日本のお歳暮やお中元も実はそのような意味があったと思うと、
お金の無駄と割り切るわけにはいけないねえ
138 :
名無しさん:02/10/07 23:20
地球も、中世時代になると、
アフリカあたりまで、貿易が拡大するが
その際、使われたのが金・ゴールド。
ゴールド金脈は、中東から、中央アフリカあたりまで
延びており、そこまで逝かないと発掘できなかったのだが、
中世のアラブ商隊やヨーロッパ人は、発掘ではなくて、貿易によって
金の確保をめざしたようだ。
そこで、アフリカ人と交換するのだが、その際に言葉が通じないので、
無言で取引をしていたとのこと。
地中海あたりから、商人が”塩”を中央アフリカに持ってきて、
アフリカ人が金を差し出す。この関係が大航海時代まで続く。
これを見ると、アフリカ人がいかにも損しているように見えるが、
ことはそう単純ではない。
中央アフリカ人にとっては塩はのどから手が出るほど重要品で、そう
簡単に取れるものではない。ヨーロッパ人はずいぶん簡単に金が手に
入ったと思うが、同時にアフリカ人はこう思うだろう。
「世の中には、ずいぶんとアホなやつがいるもんだ。世界でもっとも
貴重な”塩”をみすみす手放すどころか、そこらへんのただ光ってる
石っころをひろってあげさえすれば、手に入ってしまうのだから」
負債の決済にあたって何をもって納得するかは、時代地域でそれぞれだから
それの分類や序列をしても仕方が無い
貨幣論のほとんどが、決済方法の多様さに惑わされている
実際には、お金というものが時を超えられるのは、負債というものの存在に
よってのみ可能ですよ
140 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/08 09:41
>>131 人々が生活に必要な生産力で満足していたのでは
自殺者が増えるのだと最近気がつきますた。
141 :
貨幣論研究者:02/10/08 13:18
>>139 負債ってのは具体的にどんなものが含まれるのですか?
「お金の貸し借り」って意味の負債ですか?
なんかかなり広い意味で使っているように見受けられますが。
>140
なるほど ・・・・・
だから、つねに資本主義は、滅亡の危機として機能しうるか・・・。
一理ある。 おーい、矢魔蛇君。ざぶとん1枚あげてください。
http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/feature_04.htm の「貨幣の無い日々」で、貨幣が無くなった後も指標として存続した例が載っていますが、
もっと抽象化すると、交換に際して、なんらかの相対価格が予め取引の関係者に存
在しうると考えてよい。
このような、漠然とながらも相対価格で感覚された、交換を誘うような「不足」は、負債
の前駆的な形態とみる
※化学などでも、マイナスの電子が重要な役割を果たす。経済取引が継続的に連鎖的に
起こり続ける現象も、このマイナスの電子に類似するものを想定するのが合理的だ
ここでは、それが「負債」であると考えている
144 :
(´_ゝ`):02/10/08 18:11
>交換に際して、なんらかの相対価格が予め取引の関係者に存
>在しうると考えてよい。
共同体内に何らかの負債が生まれない限り、取引はなされない。
この負債は物質的なものに限らないで、精神的なものも含む。
>140にもあるように、資本主義というものは人間の欲望を敢えて作り出すシステム、
つまり、「不足」という状態を人為的に作り出すシステムと考えられる。
>139 ここでは、マルクスが述べるような「富」「交換」「負債」という意味で
使ってなく、カール・ポランニーが定義した用語を用いていると私は思うのであるが。
やはり、予めっていうところがポイントですね。
145 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/08 19:01
貨幣ってのは、孔雀の羽じゃないでしょうか。
一番たくさん持ってる奴が、メスを独占する。
金や銀が使われたのは、カラスと同じ、メスが光り物が好きだから。
マンコとゴールド
ってどっちが気持ちイの?
147 :
(´_ゝ`):02/10/08 21:17
生物学的には、メスは光物 ゴールド好きじゃないよ。
むしろ、チンコ好き
149 :
(´_ゝ`):02/10/08 22:24
それにしても貨幣の原型としてよく呈示される、子安貝は母性の象徴じゃろう。
貨幣を造ったのは男なのか?女なのか?
まあ自分のシンボルを貨幣にしようなんて思わないから男が作ったんだろうけど
売春って観点から見れば。
でも、それですらじぇんだー文化論に囚われている。
人間はマンだけではなかった。
っていうか、女ってなんですか、教頭?
○系は下ネタが好きだからな
貨幣論なんて、そういう類の話のオンパレードだな
人間の衣類を脱ぎ去り、
これまでやってきた歴史をすべて捨てて
究極的に人間を無に帰したら
人間が作り出す、価値とか創造性とかは
結局は、性的関係 でしかなくなると見たのだろう
153 :
貨幣論研究者:02/10/09 13:59
>>143 >漠然とながらも相対価格で感覚された、交換を誘うような「不足」は、負債
>の前駆的な形態とみる
なるほど。
ちなみにPK初心者さんは交換を誘引する不足はスミスの言う「交換性向」
みたいなものがあらかじめ人間に備わっているから生じると考えているんで
しょうか?
>交換に際して、なんらかの相対価格が予め取引の関係者に存在しうる
この相対価格みたいなものを表現する媒体が「貨幣」だと考えている
ということですよね?
154 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/09 14:01
>>152 食うことと寝ることとエチすることは、常に最重要課題だもん。
155 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/11 22:36
age
156 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/17 23:20
aa
マルクスの資本論を読みなさい。
158 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/19 20:46
お金の価値に労働は含まれない
マルクスは形態については述べたけど
起源
には触れていない
お金というのは、もともと、物の社会的価値を図る、ものさしのようなものです。
160 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/19 21:22
スターリン最高!
161 :
貨幣論研究者:02/10/20 15:18
>>158 >お金の価値に労働は含まれない
そうだっけ?
金貨幣の価値ってのは鉱山労働によって規定されるんじゃないの?
だからこそ価値形態論の等式が成り立つのであって…。
162 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:02/10/20 16:09
「お金」の由来については
マネー 〜なぜ人はおカネに魅入られるのか〜
ベルナルド・リエター著、堤大介訳、ダイヤモンド社、2001年
も読むといいかも。
ちょっとあれな部分もあるが、なかなか類書もない気がするし。