【基礎】『スティグリッツ入門経済学』を読もう!

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1722.価格,所有権,および利潤:インセンティブと情報
・市場経済は、価格、利潤、および所有権を通じて個人や企業に情報とインセンティブをもたらす。
 ("経済学のコンセンサス2"参照)

・インセンティブが大きくなるとその結果不平等が大きくなる。これを"インセンティブ・平等のトレードオフ"と呼ぶ。

・所有権が明確に確定していないときは、結果的にいつも非効率が発生する。
 例1)グランドバンクス海域では漁業資源に関する所有権が無かった。漁民は自分が魚を獲らなければ他の漁民が取るだ
   ろうと合理的に考え、結果的に魚が乱獲されて漁業が成り立たなくなった。
 例2)カリフォルニア州では州政府が水利権を様々な団体に与えているが、これを移転したり売ったりすることが出来ない。
   そのため水価格の安い牧場主グループが水価格の高い都市住民に水利権を売ることが出来ず、非効率が発生している。
 例3)家賃の上限を定めるように統制されたアパートに一生住むことが出来るような法的資格も経済学では所有権とみなさ
   れる。この場合、住民はそのアパートに住む権利を売ることが出来ないため、老齢になってくるとそのアパートを改修
   したり住環境を維持しようとするインセンティブを失うかもしれない。


■■■経済学のコンセンサス 2 ■■■

" インセンティブ Incentives "
適切なインセンティブを提供する事は、基本的な経済問題である。現代の市場経済においては、利潤は企業に個人が望むものを
生産するようにインセンティブを与え、賃金は個人に働くインセンティブをもたらす。
所有権もまた人々に、投資や貯蓄だけでなく、彼らの資産を最前な方法で用いようという、重要なインセンティブを与える。