1 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :
02/08/08 06:07 (合理的期待形成理論の下では)すべてのマクロ政策が有効でないとよく言われ るが、それは誤解だ。我々は将来についてはすべてを体系的に予測できるわけで ない。デフレ期待がどの程度のものでどのぐらい続くかは、誰にも予測できない。
2 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/08/08 06:07
人々は、財の購入、投資といった経済活動をする時、将来何が起こるかについて、 でき得る限りの情報を用いて期待を形成し、それに基づいて合理的に行動すると考 えられる。その限り、政府の政策は経済の安定化に役だたない。もし中央銀行がマ ネーの量を体系的にコントロールし、それを人々が完璧に予想できれば、そうした 金融政策は経済の実態には影響をもたらさない。これが合理的期待形成理論のエッ センスである。 我々は将来についてはすべてを体系的に予測できるわけでない。デフレ期待があ ったとしても、現実に日本にはあるわけだが、それがどの程度のものでどのぐらい 続くかは、誰にも予測できない。合理的期待形成理論に基づいても、そうしたデフ レが実態経済に何の影響も与えないとの結論にもならない。 (合理的期待形成理論の下では)すべてのマクロ政策が有効でないとよく言われ るが、それは誤解だ。合理的期待形成が言わんとするのは、(市場がびっくりしな いような)予測可能な金融政策は無効ということだ。 ロバート・ルーカス シカゴ大 日経ビジネス2月11日号
3 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/08/08 06:08
合理的期待形成理論は当初は「金融政策を発動しても、変化するのは名目利子率や 物価上昇率のみで、実質利子率、実質成長率、雇用などには影響がない」と理解さ れたが、ルーカス教授等の真意は「政策当局は政策の効果を見極める際、人々の期 待形成に注意せよ」ということだ。 同記事解説、(中谷巌入門マクロ経済学第4 版P445参照)
4 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/08/08 06:09
日本が米国と異なるのは、日本銀行がデフレ的な政策に傾き、結果的に物価が下 がっていることだ。一歩間違えれば恐慌になると、近代経済学は教えている。米国 は、物価上昇率は低いが、プラスであることは重要だ。 日銀が間違えているのは、金利水準に焦点を当てすぎていることだ。日銀は「金 利水準は非常に低く、やるべきことはやり尽くした。従って我々に過ちはない」と 主張する。だが、それは違う。通貨の伸びに着目すべきで、さらに金融緩和余地は ある。国債だけでなく、極端な話をすれば、ドルでもポテトでも銃でも買ったらい いということになる。それはあり得ないが、貨幣をモノと交換すればそれだけ流通 する。日本の金融政策が、引き締め気味か緩和気味かは、物価上昇率を見て判断す べきだ。日本のデフレはいろいろな要因が重なっているが、重要なのは金融政策だ 日本は恐らく、財政刺激も必要なのだろうが、これまでの財政拡大のペースを見れ ば、日本のマネーサプライをさらに増やす余地はあるように見えるし、日銀にはそ れができるはずだと思う。合理的期待形成理論に基づいても、そうしたデフレは害 がないと考える理由はないし、デフレが実体経済になんの影響も与えないとの結論 にもならない。
5 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/08/08 06:14
6 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/08/08 09:34
>「政策当局は政策の効果を見極める際、人々の期 >待形成に注意せよ」ということだ でどうやって「人々の合理的期待形成」を見極めるんですか?
7 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/08/08 12:39
合理的期待形成理論は将来のことを予測できると言っている訳じゃないよ。
8 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/08/08 14:19
>>7 それは承知。ウェーバーがいうように「合理的」にも様々な種類のものが
あり、個々人がそれらのうちのどれを第一義に考え行動するのかなんて千差
万別。それを「合理的期待形成仮説」はうまく扱えるんですかってこと。
言葉足らずスマソ。
9 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/08/08 14:26
理的期待形成仮説は、扱う対象の規模(=人数)が大きくなると 近似が悪くなる性質を持っているよ。
「合理的期待とマネタリズム」に書かれているのは、 「合理的」な予想とは、さまざまな情報を最も効率的使用して形成される予想で、 完全予見も想定される。合理的期待仮説はひとつの「ものの考え方」。 フリードマンは、予想は、「個々のケースについては誤ることがあるとしても、長 期にわたってみれば平均して正しいであろう」
ルーカスは「同じ政策でも初めてその政策を実施するときと2番目とでは、人々の 受け止め方、期待も変わり、したがって政策効果も違う。財政政策にも同じ弱点が ある。先行きの増税がどのくらいか、人々の期待は違うが、政策効果が弱まること は確か」「政策当局は政策の効果を見定める場合に、つねに人々の期待形成に注意 しなければならないのに、現実にはほとんどこの点に対して注意が払われていない のは問題だ」と批判しているわけです。これをルーカス・クリテイーク(ルーカス の批判)と呼んでいます。 中谷巌入門マクロ経済学第4版P445参照)
12 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/08/22 10:36
合理的期待は、人々の期待の期待値が合理的であるわけであって、 各個人が預言者のようにふるまうというものではない。 その辺が誤解されている。 ルーカスの意義がわかるのは、大学院レベルのマクロと統計学をやったあと。
13 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/08/22 10:38
法治主義にも同様の誤解があるよ。各人が裁判官の様にふるまうというものではない。
最新早期顔見せでないと、元首相から、自称大卒まで、オールドケインジアン になってしまう。
(アカロフの新古典派批判)
http://nytimes.com/2002/09/05/business/05SCEN.html Devotion to Free-Market Makes for Ineffectual Policy By JEFF MADRICK
Mr. Akerlof argues, however, that market bubbles can exist and should be under control
The starting point for Mr. Akerlof and his colleagues is to make the central assumption
of economics realistic. People are often not rational, maybe even most of the time.
The strength of behavioral economics is that it is based largely on actual observation of
human behavior, not pure theory. "In the spirit of Keynes," Mr. Akerlof writes, "behavioral
macroeconomists are rebuilding the microfoundations that were sacked by the new classical economists."
行動の経済学の力は、それが純粋な理論ではなく人間模様の実際の観察(観測)で主に基礎とされるということです。
「Keynesの魂で」、Akerlof氏は書きます、「行動のmacroeconomistsは、新しいクラシックな経済学者によって
略奪されたmicrofoundationsを再建しています」。
16 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/09/22 07:32
斉藤誠著 先を見よ、今を生きよ は、鳩が豆鉄砲を食らった、神隠しにあった話がおもしろい。 学者と実務家が合理的に乖離した。
いつか、かならず デフレは崩壊する。 今の内にセフレを
18 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/09/28 06:14
>16 の合理的バブル理論は、馬鹿の上塗り論、より馬鹿理論と言われる代物では。
19 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/09/28 07:48
ところでセフレってなんですか
↑セックスフレンドです。
21 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/10/10 01:09
92: 名無しサンバルカン 2002/10/09(Wed) 22:46 The Bank of Sweden Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel "for having integrated insights from psychological research into economic science, especially concerning human judgment and decision-making under uncertainty" Daniel Kahneman USA and Israel "for having established laboratory experiments as a tool in empirical economic analysis, especially in the study of alternative market mechanisms" Vernon L. Smith USA
22 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/10/10 01:11
>>17 デフレっつうより国債、債権バブルだろ・・・
23 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/10/10 01:53
これえらい難しい数学使って説明してるってほんと? しかも実は部分的に間違いがあったというのもほんと? どのレベルの経済学学徒なら理解できんの? 数学専攻の人には楽勝のレベルなの?
24 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/10/10 02:23
人間は合理的期待によって経済活動は行っていない。 まず現在の減税は将来の増税を招くために、消費は増加しないっていうのは、嘘。 減税の乗数効果が低いのは、需要に起因していて、増税に備えて消費を増やさな いのではない。
25 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/10/10 02:28
しかしクリントンの財政赤字削減策は、合理的期待が高いレベルで生じた(投資家の間で) ためになしえたことであろう。しかし、これは政府の政策に対する強いコミットメントに よる合理的期待生成が大きいように思われる。 インタゲなんかも合理的期待に影響を与えようとする一種だと考えられなくもないだろう。
26 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/10/21 23:53
カーネマン、ノーベル賞受賞あげ
27 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/10/22 01:05
>24 合理的期待の意味を勘違いしてないか? 合理的期待だけではRicardo=Barroの中立命題はでてこない。 あれは新古典派王朝モデル+合理的期待で出る結論。 逆に、合理的期待の下でも、中立命題が成立しないケースを 考えることができる。例えば小野先生の国債の力に関する議 論を見てみるといい。
28 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/10/22 18:32
>>24 君の言ってることは、糞中谷の入門マクロに書いてあるような初歩的な間違いだよ。
29 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/11/02 07:28
72 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/11/01 00:55 最新 行動ファイナンス入門 ジョン・ノフシンガー 著 米国MBAテキストの最新版。 ・・目次・・ 第1章 心理学とファイナンス 第2章 自信過剰 第3章 後悔への恐怖とプライド 第4章 過去の経験 第5章 メンタル・アカウンティング 第6章 ポートフォリオ構築への影響 第7章 代表性と慣れ 第8章 投資活動の普及と熱狂 第9章 セルフ・コントロールと意思決定
30 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/11/02 07:32
経済学なんてあんま真面目にやるなよ、この世間知らず共が・・・
31 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/11/12 06:18
ルーカスは、インフレターゲットについてコメントしている?
33 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/11/12 15:24
政府が景気刺激のために通貨供給を増やしても、民間経済アクターが合理的に 「これでは物価が上がる」と予想してそれを織り込んで行動すれば、その通りに 物価が上がるだけで、雇用が増加することにはならない、というのが合理的期待 形成仮説から導かれるとどっかで読んだ覚えがあるが(漏れは経済学部じゃない)。 それならせめてマイルドなインフレ(年率3〜4%以内)ぐらい起こしてくれ。このまま デフレでは企業が死に、日本経済学田原、じゃなかった日本経済がくたばる。
>年率3〜4%以内 ぜんぜんマイルドじゃない
35 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :02/11/12 15:40
36 :
金持ち名無しさん、貧乏名無しさん :
02/11/24 06:35 19日 ロイター OECD対日経済審査 <金融政策、さらに一層の未踏の領域に踏み込む必要> 日銀の金融緩和策について、「金融市場の崩壊を防止し、利回り曲線(イールドカーブ)が下方向 にシフトすることにも寄与した」としながらも、「これまでのところ、実体経済についてはもちろん、 マネーサプライに対しても大きな影響を観察することは難しい」と分析した。 そのうえで、日本経済のダウンサイドリスクが大きくなり、デフレの短期終えんの見通しがほと んどないなかでは、「日銀はさらに一層の未踏の領域に踏み込まなくてはならないだろう」とした。 具体的には、「日銀は当座預金残高目標をさらに引き上げるべき」とし、「一層の国債購入はオプ ションのひとつ」とした。日銀による長期国債買い切りについて、「国債市場を広範に支えること によって、国債価格を利回り曲線に沿って引き上げることに成功してきており、これによって、金 融システムは巨大なキャピタルゲインを実現し、生き延びることができたのは間違いない」。「日 銀は購入する資産の範囲を拡大させることもできるが、そのような購入操作にあたっては、相対的 に小規模で、結果としての価格変動が大きすぎる可能性のある、いくつかの国内の資産市場に関し て注意すべきである」と購入資産の対象となる市場は大規模なものであるべき、との考えを示している。 インフレ目標については、「経済の今後の推移によっては、そのようなアプローチも功を奏する 可能性があるし、金融政策が経済に与える効果に関して現在ある大きな不確実性は縮小する」と の見方を示している。