●●人類の多様性について●●

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47同定不能さん
>>46
他所の板で長文書いたばっかりだし、長いといってもただ長いだけなので迷ったんだけど
まあせっかくなので書きますが
以下2レスそれぞれの最後4行だけでも読んでもらえれば十分かと
48同定不能さん:2011/10/26(水) 11:35:25.45
まず当たり前だけど地球全体にもそれぞれの土地で得られるものにも限りがある

生物は選択可能な範囲で生き易い道、楽な道、効率的な道に進めたものが生き残り易い
生物にとってストレスは生き易さの大敵なので、それが可能ならあらゆる手段でかわそうとする
生物は状況の許す限りは増えようとする
増えることで力が増せば安定するし、それで手狭になり外が空いてれば広がっていく
そしていずれ他所の集団と出会う
生物のバランスは「増えすぎれば資材、燃料の減少、自身の活動による生息環境の悪化など、
生き難さが増して減る。減るとそれらに余裕が出来て増える」を考えなしに繰り返すだけ
常に餓死と隣り合わせで怪我、老い等、弱体化による生死の即応性が高いために増減の揺れが
平衡といえる範囲に収まっているだけ
天敵のいない捕食者の場合、限られた生息域という制限の中で同種の相手を餓えに追い込んだり
交配の機会を奪ったりと、同種の生物を敵とすることも重要
限られた環境で個別に同じ生き易さを求めるもの同士が出会えば、どちらかの生き易さには必ず
不足が発生するし、分け合えば双方で不足する
その問題の解決を集団の中に求めれば姥捨てや間引きになるし、外に求めれば奪い合いになる
どちらも選べる状況になければ今の少子化のように勝手に減る

知能という特徴が別の解決法を見つけるのか、先のことは知らないけれど
ヒトも生き易くするために移動能力の制限の中、関係性の強い範囲で共益集団を形成する
それによって生まれる余力は望もうと望むまいと集団を発達させる
それによって一度得た生活水準を自発的に下げることは困難だし、外から強要されれば反発もする

要するに武力に拠ろうが拠るまいがあらゆる影響力を駆使して奪い合う必要は常にあった
奪い合うためにも、他者を牽制し無駄な奪い合いを避けるためにも「相互」の線引きが必要だった
そして言葉や文化、肌の色、信じるものなどは、もともと集団ごとの生活条件から自然に変化していくので
最初から纏まるための指標としてそこに有ったし、それによって生きていられるならそこに価値を見出すのが自然
49同定不能さん:2011/10/26(水) 11:36:06.76
また集団の発達の過程で、常に外敵に備える役とそれによる安定の中で集団の土台を形成する役、集団の
意思決定役の切り分けを明確にし、それぞれが役割に注力する必要が生じた
(獲物を追う生活はそれ自体が縄張りを見張る行為になるけれど、土と向き合う生活はそれを困難にするからね)

その結果、特に「安定の中」で暮らす人(いわゆる平和的な一般人)は近視眼的になり易く、集団の安定の
維持に必要なものや、そもそもの集団を形成する理由が見え辛くなる
まず社会制度が発達するということは、考える対象を絞り込み、それ以外を考えずに済むようにするということだし
そして集団の複雑化はそれ自体が理解の難しさも生む
また他にも集団が発達するにつれて集団内でも実際上や心理的な距離が遠い者との関係性は希薄になるということ

そういったことを補い、集団への帰属意識を強めるためにも強い理由付けが必要だった
例えばヒトに特徴的なストレスとその排除方法から始まる宗教は、そういう面では優秀な道具だった
自他を峻別する共通の価値観を生み、客観性など一切無視して簡単に正義を標榜できるから
そういう正当化ツール無しだと、自分の正義を信じることも戦う理由も理解出来ず、だけど殺し殺されなきゃ
いけないということだし、どんな立場であれ理由もなしに残酷になるのは普通の人にはちょっと難しい
(幸か不幸か最近は宗教の使い勝手は悪くなってるみたいだけど)

ともあれそれら集団ごとの差異は、そこから直接生み出されるものの価値によってそれら自身の価値も高まるし、
それによる安定が長く続くほど副次的に生み出される要素は複雑に絡み合い、表層を飾る理由付けは各人の
生活との絡み方から見える範囲も重点の置き場も変わるけれど

結局は集団が限られた世界で生き易くあるための縄張り行動の一つ
集団の安定に必要な範囲を規定し、他集団の圧力を排斥するための指標でありシグナル
その役割への理解の不足から「相互」の存在を無視すれば極端な平和志向、「相互」の関係性を無視
すれば愛国無罪に向かうけれど、どちらも行き過ぎれば「相互」関係に無用の混乱を招く点では同じ