地球だけど、何か質問ある? Part3

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904地球 ◆2DEg7giPok

市内のとあるスーパーで卵型アイスを見つけた。「恐竜の玉子」という名前で一袋につき五個入だ。
(メーカー公式サイト:http://www.marunaga.com/7seihin/n_fancy/f_fancy.html
商品を確認・購入し、ドライアイスを入れてもらい急いで帰宅。
冷蔵庫が故障している状況下でアイスの保存は不可能であるため、五つの内の三つを俺に、そして残りの二つはバーチャンに。

挑戦と無謀とを同じポケットに入れて持ち歩くな(声:内海賢二)という名言があったが、今の俺がまさにそれだ。
チキン野郎なこの俺はこぼれたり飛び散ったりするのを恐れ、皿の上で食した。
しかしあれだけ前情報を得ておきながら食すのを急ぐあまり、最後に勢い余って強く握り、M.A.P.Wを炸裂させてしまったのだ。
勢い良く空中に飛び出した半液状アイスはボトボトボトボトッという音と共に畳の上に落ち、俺は少しの間呆気に取られていた。
気付くとバーチャンの足の上にも掛かっており、大急ぎでちり紙を取り、申し訳無くも少々情け無い気持ちで拭く。
二個目以降は炸裂しないよう充分に注意しながら食したが、アイスにずっと口をつけた状態であるため冷えて冷えて仕方が無い。
アイスから微妙に距離を離し、半開きの口を恐る恐る近付ける様の間の抜けたこと。しかもバーチャンは何食わぬ顔でクールに食している。
自動的に出てくるアイスを吸引しつつ、今になってパッケージ裏の「召し上がり方」に目を通す。
俺はこの時になってようやく、自分自身がもはやチキンですらない「踏めば壊れちまうタマゴ野郎」である事を思い知った。

パッケージ裏には召し上がり方の他に、ある意味「仕様です」と言わんばかりの注意事項が妙に事細かく記されている。
ここまで来ると衣服が汚れようが汚れまいが関係無いのかも知れない。そう、これは心意気の問題なのだ。
良い部分も悪い部分もひっくるめて、ダメージ覚悟でそれでも"愛す"奴らにこそ この氷菓は相応しいのだろう。
作る側と愛す側の並々ならぬ思い入れを感じた初夏の日であった。