◆電磁波ノイズ変化で今回の地震を予測?−−府中の大学院生
今回の地震の約3週間前に、仙台市内の大気中の電磁波の変化から、
電気通信大大学院生(電子工学)の犬伏裕之さん(43)=東京都府中市=
が「8月下旬までに宮城県沖を中心とした地域でマグニチュード(M)7
クラスの大地震が起きる」と予測していた。電磁波と地震発生の関連に
ついては、メカニズムに未解明な点が多く、専門家らは「今後の研究課題だ」
とみている。
犬伏さんは、AMラジオの周波数帯の電磁波のノイズが、過去の地震で
発生前に急増することに着目、「地震発生前に起きる岩石の微小破壊で、
大気中の電磁波に影響が出る」との仮説を立て研究を続けている。
「異変」があったのは、6月10日。東北から九州までの20カ所に
設置した電磁波探知機のうち、仙台市内の装置のカウント数が、15倍
以上にはね上がった。このため、過去のデータを基に、宮城県の牡鹿半島沖
を中心とした南北150キロ、東西190キロのエリア内で、同21日から
8月25日までに3割の確率でM7.1〜7.9の地震が起きると予測し、
7月初めに仙台市に伝えていた。
26日朝、宮城県北部で震度6強を記録した地震は、エリア内の北西部で
発生しており、M6.2と小さかったほかは合致していた。同市の
谷澤晋都市整備局長は「(犬伏さんの資料は)正式に学会から提出
されたものではなく、個人的研究の範囲内にとどまるものと判断した。
それを基に市が対応することは難しい」と話している。
http://www.mainichi.co.jp/news/article/200307/28m/072.html