朝日新聞の安倍政権に対する激しい攻撃は周知の事実ですが、今回の参議院選挙での
報道や評論の記事、そして世論調査や写真まで総動員したキャンペーンは常軌を逸した
観さえあります。全国紙がここまで特定の政治家や政権に非難を浴びせ、その打倒を図る
という政治的キャンペーンは、日本のジャーナリズムの歴史にも異様な一章として特記される
かもしれません。その極端な党派性は「客観報道」を隠れミノにしているともいえましょう。
参議院は当然ながら衆議院からは独立し、しかも衆議院より権限の弱い立法府の第二院
です。しかし朝日新聞はこの参議院の選挙を安倍政権への事実上の信任投票として特徴
づけることに必死です。いうまでもなく安倍首相が長となる自民党は衆議院で3分の2の
議席を占め、国民の自民党への支持の大きさがつい最近の総選挙で明示されたばかり
です。参議院の選挙結果で首相が交替せねばならないという拘束的な因果関係はどこにも
ありません。ですが朝日新聞は参院選を安倍政権打倒の手段としています。
選挙にからむ政治報道をみても、朝日新聞は安倍政権が取り組む憲法改正や公務員制度
改革(天下り規制)さらには一連の外交活動(中国や韓国との関係改善、インドやオーストラリア、
NATOなどへの新たな接近など)はいずれも、ほとんど無視しています。 そのかわりに
はばなしく扇情的な報道や論評を続ける対象は、松岡農水相自殺、久間防衛相辞任、
赤城新農水相の事務所問題など、醜聞ふうなテーマです。さらには朝日は「年金」と「格差」を
安倍政権の責任追及という形で大きくプレーアップしています。年金問題の混乱も安倍政権の
せいだという構図を描くわけです。
しかし現実には年金問題が一朝にして生じたわけではないことは明白であり、その責任の
多くが民主党ときずなの深い自治労にあることも周知となりました。朝日新聞はそのへんは
追及しないのです。 (
>>2-5に続く)