倒産した会社の末期の状況おしえて！ 3社目

藤岡が金子に適時打を浴び、

決定的な３点目が入る。

ヒルマン監督は、

武田久、ＭＩＣＨＥＡＬとつなぐ「必勝リレー」が頭をよぎったと言うが、

「アドレナリンが出ていた」と２０歳の右腕の気迫を買い、

最後まで動かなかった。

「０勝０敗、初戦という気持ちで戦いに挑みたい」。

指揮官はあと１勝にも、

高ぶる気持ちを抑えるようにコメント。

第１ステージに続き、

初戦黒星で追い込まれた森脇監督代行は

「１３日間のブランクの、８０〜９０パーセントはバッテリーがカバーした」と言った。

１得点に押さえ込まれたダルビッシュの好投と堅守に阻まれ、後がなくなった。

優しく、厳しく見守り続けた道産子ファン

北海道移転から３年

ヒルマン監督が、

快挙を成し遂げた選手たちの手で宙を舞った。

ＳＨＩＮＪＯが、小笠原が、金子がペナントを持ち、

札幌ドームを１周する。

至福のシーンが、

北海道にこんなに早く来るとは誰も思わなかっただろう。

２５年ぶりのパ・リーグ制覇。

しかも稲葉が打ち、

森本が快足を飛ばして本塁を駆け抜ける、

あまりもドラマチックなサヨナラ勝ち。

札幌の歓楽街・ススキノではファンがビールかけをした。

冬の足音が忍び寄っていた北の大地は、熱く燃えた。

弱小球団を変えた指揮官の優勝インタビューの第一声が、

すべてを表していた。

「シンジラレナイ！」

２００４年４月２日、日本ハム−西武戦。

東京ドームからフランチャイズを移転し、

初の札幌ドーム開幕戦だった。

当時はまだ実数発表ではなく観衆３５０００人。

金村が松坂とのエース対決で投げ勝ちはしたが、

スタンドは空席が目立っていた。

ヒルマン監督は試合後、言った。

「ファンの方を興奮させて、初めて大きなことはできるもの」。

ファンからの更なる後押しを願った。

札幌ドームの外は厳しい船出を象徴するかのように、小雪が舞っていた。

昨年までは対戦する球団の人気によって、

スタンドの埋まり方は左右されていた。

純粋に「北海道日本ハムファイターズ」を見たいという地元ファンは、

それほど多くなかったのが悲しい現実だった。

ＳＨＩＮＪＯのパフォーマンス。

ダルビッシュ、森本といったニュースターの登場。

暗いイメージが付きまとうチームカラーは少しずつ変わった。

完全に重苦しい過去と決別するために必要な、

あと１つの条件が「優勝」の２文字だった。

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