「おいしい広島」には星付き店が30店――。14日発表された「ミシュランガイド広島2013特別版」では、多彩なジャンルのレストランなどが紹介された。
星を獲得した料理人たちは「広島の食文化を世界に」と決意を新たにした。(川上大介、薮上遼介)
◇三つ星
唯一の三つ星を得た「なかしま」(広島市中区東白島町)の店主・中島徹夫さん(39)は「全く予想していなかった。支えてくれたお客さんや家族に感謝したい」と謙虚に喜んだ。
広島市の高校卒業後、料理の専門学校を経て、大阪市の割烹(かっぽう)店などで修業を積み、2006年に妻の洋子さん(40)と店を開いた。
当初は1品料理も出していたが、「しっかり準備し、納得できるものを」と昨秋から、完全予約・コース制に切り替えた。とはいえ、料金は5000円からと決して高くない。
ガイドでは「どの料理からも手間を惜しまない真摯(しんし)な姿勢が感じられる」と激賞されたが、中島さんは「お客さんを最優先に考え、当たり前のことを当たり前に行ってきただけ」、
洋子さんも「20年後も選定が間違っていなかったと言われるように」とほほ笑んだ。
◇多彩なジャンル
広島を代表する郷土料理「あなご飯(めし)」の専門店「ふじたや」(廿日市市宮島町)は一つ星を獲得した。創業110年を超える店の4代目、藤田守さん(77)は「世界のガイド本に認められたのは光栄」と喜んだ。
瀬戸内海の穴子にこだわり、注文を受けてからタレを塗って焼く先代からの調理方法もかたくなに守る。「受け継いだ技術を磨き、お客様一人一人を大切にしていきたい」と誓った。
フランス料理店「ル・ジャルダン グルマン」(広島市西区古江東町)も一つ星を獲得。小山賢一さん(52)は20代の頃、ミシュランを片手に欧州の料理店を食べ歩いた。
その際、「世界にはこんなにおいしい料理があるのか」と衝撃を受けたといい、「次は自分の料理で感動を伝えたい」と語った。
同じく一つ星のふぐ料理店「ふく政」(東広島市西条岡町)の小鴨政直さん(47)は「日本人ならではの繊細な味わいを世界の人々に知ってほしい。一つ星は、そのための“パスポート”になる」と意気込む。
◇お好み焼き
星は付かないが3500円以下で楽しめるお薦めの店「ビブグルマン」には、お好み焼き店6店の名前も。そのうちの1店の「八昌(はっしょう)」(広島市中区薬研堀)は約40年の歴史を持つ人気店で、この日も夕方から多くの客が鉄板を囲んだ。
店主の小川弘喜さん(68)は「ただただ、驚いている。お好み焼きは庶民の食べ物。外国人も気軽に食べられるような店にしていきたい」と笑顔。広島育ちで、鳥取県の大学に通う谷口陽亮さん(25)は
「幼い頃から親しんだ味が認められるのはうれしい」と話していた。
◇地元食材のよさ引き出す
福山市明治町で浜中啓輔さん(37)がオーナーシェフを務めるイタリア料理「エルバ」は一つ星だった。「他にも良い店がたくさんあるのに。“たなぼた”ですね」と冗談めかして笑う。
市内の大学を卒業後、東京の無国籍料理店と、福山市のイタリア料理店などで修業。09年8月、独立して店を構えた。店名はイタリア語で「草(ハーブ)」の意味。「陰でもひなたでも、土地にしっかり根付いている
ハーブのように生きていきたい」という思いからだった。
本格的なイタリアンを幅広く親しんでもらおうと、ランチのパスタセットは1050円、ディナーのコースも2500円、3800円と格安に設定。地元で取れた旬の野菜や肉をふんだんに使い、客の舌を楽しませている。
ミシュランに選出されて自信が付いたという浜中さんは、「素材の良さをあるがままに引き出し、誰でも気軽に立ち寄れる店を目指したい」と話した。
ソース:読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20130514-OYT8T01588.htm .
ザ・グルメガイド
ミシュラン ☆☆ 世界中を網羅しているが、地域によって星の意味合いが異なる。
食べログ ☆ よく分からん...。
という感じで、グルメガイドに星をつけたらいいんじゃないか。