パンダの生息数回復に取り組む中国、子パンダ「タオタオ」を自然へ
四川省の野生化訓練センターで誕生した2歳の子パンダ「タオタオ」がこのほど、
自然に返されることとなった。2006年に中国は初めてパンダの「野生化」に取り組んだが、
野生に放たれたパンダは1年も経たないうちに死んでしまった。中国新聞社によれば、
人間の手で育てられたパンダを自然に返すことは、宇宙飛行士を月に送ることと
同じぐらい難しいことなのだ。
「タオタオ」はパンダの野生化のために整備された地域で生まれた。
訓練スタッフが「タオタオ」を観察する際には遠くから見るだけ。
体重測定などで「タオタオ」に接する必要がある場合には、スタッフはパンダの着ぐるみを着用し、
「タオタオ」に人間の存在を理解させないよう細心の注意が払われた。
「タオタオ」は人工的に繁殖されているパンダに比べて警戒心が強いが、
警戒心は野生化に向けて重要な要素だ。普段は単独で行動するパンダは、別のパンダと出会うと、
「逃げるか攻撃するか」のどちらかの反応を示す。身を守るためには相手が自分と比べて
強いか弱いかを判断することが必要なのだ。
人間によって飼育されていたパンダを連れてきて「タオタオ」の反応を見たところ、
「タオタオ」は相手を観察した後、ちゃんと逃げだすことができた。専門家たちはこうした訓練結果から
「タオタオ」が自然でも生きていけると結論づけ、野生化に向けて自然へ返すことになったという。
現在、中国で生息している野生パンダはわずか1600頭ほどしかいないと推測されており、
中国はパンダの生息数の回復に取り組んでいる。
(情報提供:ULOCO/編集担当:畠山トキ)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1010&f=column_1010_046.shtml 参考画像(パンダの着ぐるみを着用し観察するスタッフ)
https://pbs.twimg.com/media/A4-gdrNCcAE19b1.jpg