北海道・札幌市で覚せい剤を使用したとして逮捕された男が、高級車で逃走した事件。
警察は、男が生活保護を不正受給していたとして、高級外車を数台押収したが、
その中に超高級車「ベントレー」が含まれていたことがわかった。
札幌市、多くの人が立ち止まり見つめるその先に、
警察官に両脇を抱えられながら連行される金髪にサングラスをかけた男がいた。
札幌市の無職・伊藤 学(まさと)被告(53)は、6月28日、
自宅で覚せい剤を使用した疑いで緊急逮捕されたが、
その後、警察官のすきを見て黒のベンツで逃走した。
そして、逃走からおよそ9時間後に確保された。
「伊藤か?」という警察官の問いかけに、「タカハシです」と違う名前を名乗っていた。
その後、覚せい剤取締法違反の罪で起訴されたが、伊藤被告に新たな疑惑が浮上した。
警察は今回の逮捕後、生活保護を不正に受け取っていた容疑で自宅を捜索、
ベンツなどの高級外車を数台押収していたが、
その中にさらなる超高級外車が含まれていたことが新たに判明した。
取材班は、警察が押収した同型の車があるという中古車販売店を訪ねた。
同型の高級外車ベントレー、発売当時の価格は3,000万円ほどだったという。
さらに悪質なのは、生活保護の受給方法。
札幌市によると、伊藤被告は2010年2月から白石区役所で、生活保護を受給していたが、
2011年6月に車の所有が判明し、支給が打ち切られた。
生活保護の受給者に、車の所有は認められていない。
しかし、その3カ月後、伊藤被告は別の区役所で、再び生活保護の不正受給を始めた。
なぜ、伊藤被告は生活保護を受給することができたのか。
札幌市中央区保健福祉部・佐藤敏明保険三課長は
「(車の)名義が違っていたということと、(受給される)区がまたがっていた」
と、見抜けなかったことを認めたうえで、
「すっかりだまされておりました」と話した。
伊藤被告が不正に受け取った生活保護費の被害総額は、数百万円にものぼるという。
札幌市では、「極めて悪質な事案」として、詐欺容疑で刑事告訴する方針。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00227895.html