大赤字で崖っぷちのシャープ、起死回生の新商品投入…大阪弁でしゃべるお掃除ロボット。価格はルンバより5万割高

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1イカ即売会φ ★
シャープが今月発売したお掃除ロボットが注目を集めている。
ペット感覚でお掃除ロボを購入する人のハートをくすぐるため、
業界初の会話機能を搭載したためだ。
液晶事業の不振で前期は過去最大の最終赤字に陥ったシャープが、
新たな戦略商品と位置付けるお掃除ロボ。業績を回復軌道にのせる一助となるのか…。

「調子はどう?」「めっちゃ、いい気分!」

シャープの円盤型お掃除ロボット「COCOROBO(ココロボ)」のウリのひとつが、
標準語、関西弁をはじめ英語、中国語による「会話」機能だ。
内蔵された音声を解析するソフトが「おはよう」など36の言葉を認識。
登録された53のパターンから最適な言葉を選んで返答する仕組みだ。

例えば、「きれいにして」と声をかけると「分かった」と答えて掃除を始める。
ゴミがたまると「苦しいよ〜」と言葉を発する。
関西弁を採用したのは、お笑い芸人などの影響で全国に広まり「より面白みが出る」(担当者)
という遊び心からだ。
内蔵カメラで撮影した室内の様子をスマートフォン(高機能携帯電話)に送る機能もある。

とはいえ、なぜ掃除機に会話が必要なのか?

シャープによると、室内を動き回ってホコリを吸い込み、
掃除が終われば自ら充電場所に帰る姿に愛らしさを感じ、
お掃除ロボをペット感覚で購入する人が増えているという。

実際、市場をリードする米アイロボット社の「ルンバ」の国内販売台数は
年10万台以上とみられ、登録犬種の中で最も人気のあるトイプードルの
9万1683頭(平成23年)を上回る。

ペットのように「かわいいと思ってもらえる」(シャープ担当者)ため、
掃除とは関係のない会話機能を搭載したわけだ。
ココロボの想定価格は9万〜13万円前後とルンバよりも4〜5万円高いが、
会話という付加価値を付けることで販売増を狙う。

お掃除ロボの国内市場は24年度で前年度比4割増の約25万台(見込み)。
人気に火をつけたルンバが14年に発売されて以来、右肩上がりを続けてきた。
こうした市場拡大を受け、安全性を重視して発売に二の足を踏んでいたシャープも参入を決めた。

シャープは液晶テレビなどの不振で前期の最終損益は3760億円の赤字と過去最悪だった。
ただ、今年で創業百周年となる同社には、ヒット商品を次々と世に送り出してきた歴史がある。
創業者の早川徳次氏が大正4(1915)年に考案しヒットした「シャープペンシル」。
国内初となるテレビ受信機(昭和28年)や世界で初めて発売した小型液晶電卓(48年)…。

「世の中にないユニークな商品を出して評価されてきたのがシャープだ」。
奥田隆司社長は8日の経営戦略説明会で強調した。
液晶テレビの販売に陰りが見える中、ココロボは次のヒット商品に育つのか。
商品開発力で常に新しい市場を創造してきたシャープの“底力”が問われている。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/568340/