ギリシャが自国の借り入れを隠すために
通貨スワップのデリバティブ(金融派生商品)を活用したとされる問題をめぐり、
欧州中央銀行(ECB)にその手掛かりとなる記録の開示を求める訴訟の審理で、
ECBは同記録を開示できないと主張。
開示すれば、統一通貨ユーロの存続を脅かす危機をさらにあおる可能性があると説明した。
ブルームバーグ・ニュースは欧州連合(EU)の情報公開法に基づき、
文書の開示を求めてECBを訴えている。
ギリシャは財政悪化によって総額2400億ユーロ(約24兆円)に上る救済を仰ぎ、
過去最大の債務再編を余儀なくされた。
EU当局がその前の約10年間にわたりギリシャの財政赤字隠しが
見過ごされる過程でどのような役割を果たしたのか、
ECBの記録がその解明に役立つと期待される。
ECB弁護士のマルタロペス・トーレス氏は14日、
欧州普通裁判所(旧第一審裁判所、ルクセンブルク)で行われた審理で、
ブルームバーグ・ニュースが最初に訴えを起こした2010年に記録を開示していたなら、
「ギリシャの債務返済能力に対するネガティブな印象が強まっていたであろう」
と指摘。
「現在はスペインについても同じことで、同国は資金の借り入れが不可能になっている」
とし、
ニュースに対する「市場の反応は非常に不安定で、
ユーロ圏経済に影響を及ぼしている」と述べた。
ブルームバーグ・ニュース側の弁護士を務めるティモシー・ピットペイン氏はこれに対し、
「透明性を確保できれば、市場はより良い方向に動くものだ」
とし、
「問題は、誰が何を知っていたか、かつそれをいつ知っていたかだ」
と問いかけた。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5M43H6S972C01.html