米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は、
世界で債務が40兆ドル(約3185兆円)余りに膨張しているにもかかわらず
利回りが過去最低を記録している米国やドイツ、ブラジルの国債相場が
なぜ破裂しないバブルなのかを理解している。
エラリアン氏は6日の電話インタビューで、世界経済の成長が「同時に減速しているようだ」と述べ、
「当面はこうした状況が続く可能性がある」と語った。
バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数データによると、
主要7カ国(G7)の国債利回りの平均は1.120%と、2007年の3%から低下。
ドイツの2年債利回りは今月1日に初めて0%を下回り、スイスの2年債利回りは4月24日以降マイナス圏にある。
こうした金利は経済成長率が3%を超えないとの債券保有者の見方の表れだと
ムーディーズ・キャピタル・マーケッツ・グループのチーフエコノミスト、ジョン・ロンスキ氏は指摘する。
国際通貨基金(IMF)によると、3%という水準は2009年までは成長とリセッション(景気後退)の境界線を示すものだった。
2008年に本格化した金融危機より前の5年間は平均で4.7%の成長率だった。
欧州債務危機の深刻化や世界的な成長率鈍化、米国の失業率の予想外の上昇を背景に、
米国とドイツ、英国、オーストリア、オランダ、フィンランド、オーストラリアの国債利回りは今月、史上最低を記録した。
近年の経済成長のけん引役であるブラジルやインドといった新興市場でさえも、
利回りから景気減速やインフレ率の低下が示唆されている。
ロンスキ氏は5日の電話インタビューで、
「先進国に関する限り、クレジット市場では実質経済成長率は第2次大戦後に
われわれが慣れてきた水準よりも減速するとの結論に達しつつある」
と指摘した。
10年物米国債利回りは8日に1.64%で終了。
同年限のドイツ国債利回りは1.33%、日本国債利回りは0.85%で取引を終えた。
日米独の10年債利回りはいずれも、バークレイズの投資銀行部門が予想する
今年の世界の消費者物価上昇率(3%)を下回っている。
ブラックロックの債券担当チーフ投資ストラテジスト、ジェフリー・ローゼンバーグ氏は
6日の電話インタビューで
「バブルには欲望が伴うため、バブルとは言えない」
と指摘。
「価格上昇が見込まれるから飛び乗らねばならないという考えではなく、元本を守りたいという発想だ。
マイナス金利は恐怖の表れだ」
と付け加えた。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5FGP76KLVR401.html 関連スレ
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