【CM】電通が小学校で「広告」の授業

1 ：ムネオヘアーρ ★：2012/01/16(月) 20:14:23.33 0

（１）ＣＭ作り　伝える力学ぶ

　「スリー、ツー、ワン、アクション！」。かけ声に合わせ、映画撮影で使われるカチンコが鳴る。東京・杉並
区立高井戸東小学校で、１２月中旬に行われた６年生の「広告小学校」の授業。テレビ画面に見立てた枠の中で、
子どもたちが手作りのＣＭを次々に発表していた。

　広告小学校は、大手広告会社の電通と東京学芸大学が、２００６年から共同開発したプログラム。子どもに身
近なＣＭ作りを通して、コミュニケーション力の育成を目指している。

　同社社会貢献・環境推進部の中村優子部長は、「当初はメディアからの情報を主体的に読み解く力を育てるの
が目的だった。でも教材を作る過程で、子どもの伝え合う力が伸びることが分かり、軌道修正した」と振り返る。

　プログラムは、「入門ＣＭ」（４時間）、「自分探検ＣＭ」（６時間）、「公共ＣＭ」（５時間）の３段階で
構成。社員の出前授業ではなく、同社から無償提供されたＤＶＤ教材などを元に、教師が指導する。「子どもに
伝わる言葉を持っているのは現場の先生だから」と中村部長。

　同小では、０９年から総合学習の時間で実施している。今回、６年生は、第３段階の公共ＣＭに取り組んだ。
身のまわりの課題を発見し、原因・理由をつきとめ、解決策を考えて、１５秒程度のＣＭにまとめるものだ。

　岡田駿平君（１１）は、「殺人はやめよう」という重いテーマを選んだ。人をあやめようという時、ダンス音
楽が流れ、思わず踊り出してしまうという構成。「殺人の瞬間、明るく楽しい気持ちになれば思いとどまれるか
も、と考えた。言いたいことを伝えられて面白かった」と感想を話した。

　担任の池田菓乃教諭（２５）は「子どもたちの文章力が上達した。物語の登場人物の欲求まで深く掘り下げる
思考力もついてきた」と実感する。

　教材作りに関わった大熊雅士・同大教職大学院特任教授（５４）は「一つのＣＭを作るのに１００以上のアイ
デアを出すプロの手法を学び、子どもたちは伝える力だけでなく、考える力も身につけただろう。企業のスキル
の高さも感じたはずだ」と話している。（保井隆之）
◇

　企業が社会的責任（ＣＳＲ）の一環として、教育現場で様々な役割を果たしている。学校での学びを社会と結
びつけるものとして、期待も大きい。企業の実践を紹介する。

　メモ　これまでに広告小学校に取り組んだ学校は７５校。電通は、ＤＶＤ教材、学習指導案、副教材を無償提
供している。同社サイト（http://www.dentsu.co.jp/komainu/）のほか、『広告小学校　ＣＭづくりで、「伝え
る」を学ぼう。』（宣伝会議）が参考になる。問い合わせは「広告小学校」事務局（（電）０３・６２１６・８
４６９）へ。
（2012年1月12日読売新聞）

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20120112-OYT8T00161.htm