昨年、大躍進を遂げた女優といえば、真っ先に名前が挙がるのが武井咲(18)だろう。連ドラ初主演から歌
手デビューまで実現させ、「ホントに夢のような1年でした」。大忙しの毎日で睡眠時間が1日3時間という日
も多いが、「自分がビックリするくらい仕事が好きなんです」と瞳をキラキラさせる。今年もNHK大河ドラマ
出演など、快進撃はまだまだ続く。(ペン・篠田哉、カメラ・小倉元司)
2、3年前まではサンケイスポーツの記事でも「武井咲(えみ)」と、必ず読み仮名をふっていた。最近では
その必要がまったくなくなった、と話すと、「あ、うれしいですね。それも目標の1つだったので」と屈託のな
い笑みをこぼした。
まさしく「武井咲」の名前が広く浸透した昨年だった。まず1月期のフジテレビ系「大切なことはすべて君が
教えてくれた」で、ドラマ看板枠の“月9”に初出演。続いて4月期のテレビ朝日系「アスコーマーチ」で連ド
ラ初主演を果たした。
「連ドラ初主演の時は今まで体験したことがないくらい忙しかったけど、夢中になっていて楽しかったです。
取材日には32社くらいの取材が集中して、最後の方はノドが枯れてしまって『もう誰も話しかけないで〜』っ
て感じでした」
特に目立ったのはCM。一昨年の1社から昨年は15社と、契約数が急増した。12月には「一番やりたかっ
た仕事の1つ」という歌手デビューも実現させ、ヒロインとして出演する今年公開の映画2本の撮影もあった。
他にも各種イベントの出演、米映画日本語版の吹き替え初挑戦、写真集発売…。
「本当に濃い1年で、ターニングポイントになった年でした。自分に自信を持つことができるようになりました」
それにしても、忙しすぎないか? 昨年は完全に終日オフだった日は「合わせると2週間ぐらいかな」。睡眠
時間は取れる時でも6時間、少ないと3時間ほどで、「移動中の車の中とか、メーク中とかにも少しずつ寝るよ
うにしています」というのだが…。
「自分でもビックリするくらい仕事が好きなので、ストレスを強く感じたりしたことはないです。飽き性なの
で、毎日いろいろと新しい環境で仕事していると楽しいので」という、根っからの仕事人間だ。
それに「結構、遊んでもいるんですよ。少しでも空いている時間があると友だち誘ってご飯に行ったり買い物
に行ったり。スケジュールを自分できっちりしたい几帳面なタイプなんです」。
今年もこの忙しさは続きそうだ。大きな仕事としては8日にスタートするNHK大河ドラマ「平清盛」がある。
源義経の母で、後に主人公・清盛の側室にもなる常盤御前役。初の時代劇挑戦でもあり、「NHKに行くとなる
と内心はいまだにドキドキするけど、すごい役をいただいたので怖がらずにぶつかっていきたい。自分を奮い立
たせて現場に行ってます」と真剣なまなざしだ。
他に映画3本の公開も控える。「私の魅力? 何なんでしょうね…。大きな役をもらっても『なんで私なんだ
ろう』っていつも思うんですけど。周りの方々のサポートのおかげなので、感謝の気持ちを忘れないようにした
い」と、あくまでも謙虚で冷静だ。
昨年1年間を漢字1文字で表すと、「夢」だったという。では今年はどんな漢字1文字の年になるのだろうか?
「うーん、どうでしょう。想像つかないですね…。とにかくいろいろな役を演じて経験を積んで、来年の今ご
ろは想像を超えるようなビックリするような人物になっていたいですね」
ニッコリと花が咲き誇ったような18歳の笑顔に、無限大の可能性を感じた。
★「連続ドラマをやりたい」
今年は現時点で映画3本が公開予定。6月16日公開「愛と誠 201X」(三池崇史監督)と8月25日公
開「るろうに剣心−明治剣客浪漫譚−」(大友啓史監督)はヒロイン、年内公開の「今日、恋をはじめます」
(古澤健監督)で映画初主演を果たす。
過去に小さな役で映画に出た経験はあるが、今年が実質的な映画デビューで「スクリーンでの自分を見るのが
今から楽しみ」。一方で「このところ映画が続いたので、(大河以外の)連続ドラマをやりたくてウズウズして
います」。(紙面から)
:
http://www.sanspo.com/geino/news/120107/gnj1201070506012-n3.htm