イタリアのベルルスコーニ首相が12日、ついに辞任しました。
しかし、国債の利回りが急上昇するなど信用不安に歯止めがかからない中、
イタリアの経済には大きな混乱が生じています。
「ローマ市内、地下鉄の工事現場ですが、資金不足のために一部で工事が止まってしまっています」(記者)
2015年の完成を目指して始まった地下鉄の新線建設工事ですが、今、完成のメドは全く立っていません。
「工事が終わらないので困っています。店の売り上げは落ちたままです」(工事周辺の店の店員)
原因は州政府などの深刻な資金不足です。
「イタリアは不況で資金がない。だからお金のかかる工事は遅れているのです」(市民)
さらに、工事を発注した行政側が支払いを滞納するケースも相次いでいるといいます。
膨大な財政赤字を抱えるイタリア。
先週、政治の混乱からイタリア国債の価格が暴落し、
利回りが一時「危険水域」とされる「7%」を突破しました。
「銀行が厳しくなったのは今年の夏ごろからです」(デ・トーマさん)
ローマ市内で40年以上ブティックを経営するデ・トーマさん。
今年は資金不足のため、冬物の仕入れを減らさざるを得なかったといいます。
銀行から借入金の返済を強く迫られているからです。
融資の焦げつきをおそれる銀行が、いわゆる「貸し渋り」や「貸しはがし」の動きを強めているのです。
「銀行はできるだけ現金を取り戻そうとしている。
それでイタリア中の中小企業が困っています」(デ・トーマさん)
近くにあるこちらの商店も入り口に「閉店セール」の看板を掲げていました。
「一生懸命やってきたのに続けられなくなって・・・。こんな結果になって悲しい」(店主)
信用不安などの混乱の元凶とされたベルルスコーニ首相が12日、ナポリターノ大統領に辞表を提出。
著名な経済学者でもあるマリオ・モンティ氏が13日にも後任の首相に就任し、
財政再建に向けた舵取りを担う見通しとなりましたが、
果たして大きく落ち込んだ経済を建て直すことができるのでしょうか。
危機克服の道のりは長く険しい。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4876658.html