森山未來、長澤まさみの共演、そして異彩を放つ大根仁が監督を務めるなど、スター揃いの『モテキ』。そんな
中、注目欲しいのがプロデューサーの川村元気だ。
1979年生まれで、映画会社・東宝の社員である彼は、実は今の日本映画の中心的人物でもある。何と言っても20
10年の彼の快進撃はお見事。『悪人』『告白』を立て続けにヒットさせたのだ。近年は映画のPR、公開後のテレ
ビ放送の展開などを考えてテレビ局が製作委員会に加わるケースが多い。2000年代、そのスタイルでヒットの方
程式を確立させたのが東宝だ。だが上述の2作品は、ド大衆メディアのテレビが製作するには非常にリスキーで、
映画でしか挑戦できないようなダークかつハードな題材。テレビ局製作の映画に比べると番宣も少なかった。そ
れでも、監督をはじめとするスタッフのチョイス、内容面の充実もあって異例の大ヒットを記録した。川村元気
はその仕掛け人として、映画雑誌などで大きくクローズアップされた。
そんな彼が、約1年ぶりに手がけるのが『モテキ』。『悪人』『告白』とは対照的にテレビドラマから派生した
映画に挑むのだ。ただ、単なる「笑って、泣ける」というテレビ局絡みの日本映画バブル的作品にありがちなも
のではなく、男女関係の核心を突く意味深いテーマが広がっており、非モテ男子の奮闘記だったドラマ版とは違
う様相を呈している。この妙味あるアプローチは、「さすが川村元気!」と思わせる。
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