県は13日、千葉市若葉区の養鶏場で、鶏4羽から遺伝子検査(PCR検査)
で高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されたと発表した。
養鶏場での鳥インフルエンザ感染は、関東では今シーズン初。
県は感染封じ込めに向けて、この養鶏場で飼育する鶏3万5000羽の殺処分に
着手したほか、半径10キロ以内を鶏や卵の移動制限区域に指定した。
県によると、12日夜、同じケージ内で死んでいた2羽の鶏について、簡
易検査で陽性反応が出たと獣医師から報告があり、
13日、この2羽と生きた5羽の計7羽のPCR検査を
行ったところ、4羽からH5型の陽性反応が出た。
昨年末までに県内の養鶏場全312戸を立ち入り検査し、
防鳥ネットの破損などが見つかった10戸に改善を指示したが、
今回感染が確認された養鶏場はこの10戸には含まれていない。
この養鶏場から半径10キロの移動制限区域は千葉市、
八街市、東金市にまたがり、24か所の養鶏場で計約86万9000羽の鶏が
飼育されている。
一連の防疫措置を終え、21日間の経過期間中に新たな感染がなければ、移動制限は
解かれる。
森田知事は13日午前に記者会見し、「地震の被害が出ている中でインフルエンザが
発生したのは厳しいが、こうした時こそ全庁を挙げてしっかりと対策に取り組みたい」
と強調。
県畜産課は、鶏舎出入り口での消毒などについて「改めて全養鶏場に衛生管理の徹底を
周知したい」としている。
関係者からは驚きや不安の声も聞かれた。感染が確認された養鶏場から鶏卵を
仕入れている問屋の社員は、「養鶏場は野鳥の侵入などの防止策を
講じていたはずだった」と戸惑った様子。
北総地域の養鶏農家の男性(70)は「とうとう千葉に来てしまった」
とショックを受け、「靴や車両の消毒など対策を強めているが、感染の広がりが怖い」
と不安そうだった。
感染が確認された養鶏場と同じ若葉区にある千葉市動物公園は13日朝から、
鳥類を飼育している「バードホール」や入園者が鳥と直接触れ合える「子ども
動物園」など、鳥を扱う施設を立ち入り禁止にした。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20110314-OYT8T00253.htm