家族や地域といった”つながり”が薄れている「無縁社会」。昨年2010年1月にNHKスペシャルで放送された同テーマの番組は、
放送後にインターネットを中心に反響を呼び、大きな話題となった。その無縁社会で今、新たな動きが生まれている。
NHKの独自調査によると、近年「身元不明」や「行き倒れ」などといった新たな死が急増しているという。これには現代社会に
おける人間関係の希薄化、いわゆる「無縁社会」が背景にあるとされる。家族や地域だけでなく、退職や失業などで会社との
つながりまでをも失って孤独のまま死にゆく人たち。昨年 NHKの特別番組でこの「無縁社会」が採り上げられると、
インターネットでは「将来の自分だな」「自分も同じ道を歩きかねない」「無縁死って俺の将来の姿だな」と多くの
視聴者たちが「他人ごとではない」という共感を示した。
その無縁化してゆく人々の間で今、新たな動きが出てきているという。「無縁社会」の反響の中心となったまさに
インターネットの世界において、ネットを通じた新たな”つながり”、「ネット縁」を築いていく人たちが現れているというのだ。
みつきさん(ハンドルネーム、30代女性)もネット縁を築いている人のひとりだ。みつきさんは、ニコニコ動画の
ライブストリーミングサービスを使って個人で生放送を行っている。みつきさんは「以前務めていた会社でパワハラや
セクハラにあって、今の会社では人と関わることに積極的でない。付き合いのあった周りの友人たちは結婚して子供を
生んでいくなかで、自分は現実でひとりになることが多い。日々の生活で孤独感を感じこともある」という。インターネットで
生放送を続ける理由について「こんな私でも迎え入れてもらえる。友好的で同じ価値を持った人たちが自分を認めてくれる」
と答えてくれた。実際にネットを通じて知り合った仲間たちに会いにいくこともあるという。インターネットという新しい形で
社会とのつながりを築いていく人たち。そこに無縁社会の乗り越えるためのひとつの方法が隠されているのかもしれない。
なお、NHK総合では本日2月11日19時30分から、「無縁社会」をテーマにした番組「NHKスペシャル 無縁社会 新たな
”つながり”を求めて」が放送される。ニコニコ動画では放送に先駆けた17時から、同番組の取材班が制作の想いや秘話を
語る番組「ニコ生トークセッション 『NHKスペシャル・無縁社会』 〜取材班が明かす深層〜」の生放送を予定している。
そーす:ガジェット通信
http://getnews.jp/archives/98520