来年4月1日に施行する、事業者から暴力団へ利益供与などを禁止した「群馬県暴力団排除条例」で、
県警は温泉地の旅館やゴルフ場などの施設を暴力団に利用させない、全国的にも珍しい条項を盛り込んだ。
観光地の多い群馬県の特徴を背景にした措置。県警は「社会全体で暴力団排除の流れを作りたい」としている。
従来の暴力団対策法は、暴力団の違反行為の取り締まりのみが対象だった。
今回の条例は、暴力団の活動を助長させる事業者も違反の対象となる。
県議会の9月定例会は全会一致で可決。
温泉地の宿泊施設やゴルフ場は新年度以降、客が暴力団と知っていたにも
かかわらず施設を利用させれば、取り締まりの対象となる。
こうした規制が盛り込まれたのは、県内の一部の旅館やゴルフ場が、暴力団の襲名披露や
資金獲得目的の場として使われ、資金集めに利用されてきた背景がある。事業者も相手が
暴力団員でも、客として利用する以上、断りづらい面があった。
条例を作成した県警組織犯罪対策1課は「事業者にとっては、つながりを断つ理由を得ることになる」と強調する。
ただ、条例は事業者の違反に対する具体的な罰則規定はなく、実効性は未知数だ。
違反が疑われた場合、県公安委員会が調査し勧告するが、行政処分に従わない
事業者の個人名や企業名の公表にとどまる。
これに対し、同課は「名前を公表すれば社会的な信用を失う。大きな抑止効果になる」としている。
ソース(YOMIURI ONLINE):
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101206-OYT1T00307.htm