米政府はインターネット上の著作権侵害に対する大規模な取り締まりに乗り出した。
これにより、違法なファイル共有および偽造品に結びつく数十件のウェブサイトドメインが
差し押さえられた。
米国土安全保障省の移民税関捜査局(Immigration and Customs Enforcement:ICE)は
先週、音楽および映画ファイルの違法コピーにリンクするトレントサイト、および、偽造品を
販売するサイトのドメインを差し押さえた。
これにより、Torrent-finder.com、2009jerseys.com、Dvdcollects.comなどのサイトにアクセスすると、
「このドメイン名は、米連邦地方裁判所の差し押さえ令状に従い、ICE Homeland Security Investigationsが
差し押さえた」というメッセージが表示される。
あるドメインの所有者は、今回の措置に対して驚きを見せた。
Torrent-Finderの所有者は、TorrentFreakに対し、「ドメインの差し押さえ前に、裁判所から
訴状や通告は一切なかった。」と語った。TorrentFreakは、今回の差し押さえに含まれたと
思われる70件以上のドメインをリストアップしている。
国土安全保障省関係者は、コメントの求めに対して直ちに応じなかった。
今回の差し押さえの前には、著作権侵害を助長するウェブサイトの閉鎖を政府に認めることで
議論を呼んだ法案が、米上院の委員会で11月初旬に全会一致で可決されている。
この「オンラインにおける権利侵害および偽造防止法
(The Combating Online Infringement and Counterfeits Act:COICA)」によれば、
ウェブサイトのドメインは、著作物の違法コピー製品を提供する、または、そのような製品への
アクセスを提供する以外に「明らかに商業的意味のある目的や用途」を持っていない場合、
差し押さえの対象になるという。
この法案は、ビデオゲームメーカーのActivision、メディア企業のNBC UniversalおよびViacomなど、
コンテンツを扱う数十社の大企業に支持されたほか、全米映画協会(MPAA)や全米レコード協会
(RIAA)などのロビー活動組織などの後押しもあったという。
しかし、エンジニアやリベラル派のグループは、同法案はインターネットを分裂させ、言論の自由を
脅かし、更には合法的なウェブサイトを危険に陥れる可能性があると批判している。
オンラインファイル共有をめぐる戦いは強まりを見せている。
米国時間11月26日早朝、スウェーデンの裁判所が、ファイル共有サイトで知られるThe Pirate Bayの
創設者に著作権侵害の有罪判決を言い渡した。また10月には、米地方裁判所の判事が、人気の
ファイル共有ソフトLimeWireを運営するLime Wireに対して、禁止命令を出している。
差し押さえ画像:
http://japan.cnet.com/story_image/2042/20423422/IPRC_Seized_2010_11_460x345.jpg ソース(CNET japan):
http://japan.cnet.com/news/business/story/0,3800104746,20423422,00.htm