12月2日(ブルームバーグ):日本銀行が新たな買い入れ対象としたトリプルB格の社債の中に、
ソフトバンクやエルピーダメモリ、アコムは含まれていないことが、複数の関係者の話で明らかになった。
日銀は、入札に参加する金融機関38社が2日午前に同行へ提出した売却希望の銘柄について、
同日夕方までに個別銘柄の買い入れの可否を回答。その中には、ソフトバンクなどの他にもIHIや
プロミスも対象から外れた。関係者によると、この背景の理由については明らかになっていない。
日銀広報担当の足立祐一氏は、社債買い入れ対象となった企業や
その選定理由について「個別の話について答えられない」と述べた。
日銀が10月28日に発表した社債の買い入れ基準には、格付けが「トリプルB格」相当以上で
残存期間が1−2年としていた。同発表以降の社債市場では、残存年数2年未満の
トリプルB格社債が買われ利回りは軒並み下げた。
日本格付研究所(JCR)からBBB+の格付けを得ている2012年9月満期のソフトバンク債は
12月1日時点で、残存期間の似ている国債の利回りに対するスプレッド(金利上乗せ幅)が
57ベーシスポイント(1bp=0.01%)と、日銀の買い入れ観測が市場に広がる前の10月22日の
水準に比べ20bp縮小していた。
同じくJCRからBBBの格付けを得ている2012年1月満期のエルピーダメモリ債のスプレッドは、
126bpから71bpまで縮小したほかS&PからBBBの格付けを得た2012年10月満期アコム債は
572bpから462bpまで縮小していた。
UBS証券の後藤文人クレジット調査部長はブルームバーグ・ニュースとの電話インタビューで、
消費者金融のアコムやプロミス債が日銀の購入リストから外れたことについては「想定通り」と
指摘した上で、「エルピーダは一瞬タイトニングペースから揺り戻しが起きるかもしれない」と述べた。
ただ後藤氏は、少しでも高い利回りを求める投資家からの買いが入ることによって、
スプレッドの拡大幅は限定的との見通しを示した。
ソース(Bloomberg.cp.jp):
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=aqJkeax1ExBw