不況の裏返しで最近急増しているのが格安居酒屋。ついには「15分375円」という
究極の激安タイムサービスを提供する居酒屋まで登場した。
この価格で飲み食べ放題というのだが、一体どんな店なのか?
横浜・関内にある「おだいどこ酒場」は、全国に30店舗を展開する居酒屋チェーン
「おだいどこ」の1店舗として営業していたが、先月12日、
他店にはない「15分375円」の新サービスを打ち出してリニューアルオープンした。
「セルフ方式で、時間制の飲み放題食べ放題という新機軸を居酒屋業界に打ち出したい」
と話すのは、同チェーンを運営する「プライム・リンク」の高橋健一FC事業本部ミドルマネジャー。
「ヒントになったのは、カラオケやネットカフェ。1杯いくら、という考え方ではなく、
お客さまから時間の対価をいただこうと、発想を180度変えたんです」
実際にお店に行ってみた。まず驚いたのが料理や酒の質。ビールは発泡酒などではなく、
きっちりスーパードライ。焼酎も20種類ほどのストックがあり、
「常時30種類そろっている」というご当地食材を使った創作料理をプレートに好きなだけ盛ることができる。
気になるのは採算が取れるかだが、「リニューアルしてから、前年比で利益が2割増」(店長)という。
そのカラクリは時間設定にあるようだ。
「居酒屋での1人の滞在時間は平均90分で2250円。値段はここから逆算して設定しました。
正直、すべてのお客さまが15分で帰ったら商売になりませんが…」(高橋氏)
メーンターゲットは30−40代だが、取材当日は20代の女性から50代のオジサンまで
幅広い客層でにぎわっていた。「予算のメドがつきやすいのでいい」(52歳・会社員男性)、
「大人数でも小人数でも気安く来られる」(22歳・OL)といずれも好評だった。
ちなみに、15分で出ていくチャレンジャーは「1日に1人いるかいないか…」(店員)とレアケース。
「本当に15分で食事できるのかチャレンジしてみた」という都内在住のフードライターの男性(33)はこう語る。
「『食べ残しはできない』といった店のシステムの説明を聞き、靴をげた箱に入れて席に着いた時点で
6分が経過していた。店員に『鍋は10−15分かかる』といわれたので早々に断念。
手羽先揚げ、串カツ、サラダなどを皿いっぱいに盛った。飲み物はジョッキ1杯のビールが限界」。
店は「イッキ禁止」だが、それに近いペースでビールを飲み干し、レジへ滑り込んでも
14分が経過していたという。会計は税込みで394円。
男性は「総じて慌ただしかったが、とりあえず1杯飲めて、満腹になれるのはうれしいね。
すぐ近くに吉野家があるが、こっちの方がお得感がある」と評価していた。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20101112/dms1011121615021-n1.htm