◆胃がん医療事故訴訟、手術病院の過失認定…茨城
2002年に胃がん手術を受けた茨城県土浦市の酒井宏行さん(当時47歳)が
死亡した医療事故を巡り、酒井さんの妻(56)ら遺族が
筑波メディカルセンター病院(つくば市)とつくばセントラル病院(牛久市)を
運営する2法人を相手取り、慰謝料など計約1億500万円の損害賠償を
求めた訴訟の判決が13日、水戸地裁土浦支部であった。
犬飼真二裁判長は「腸に穴を開けたり、不十分な縫合などにより
死亡原因の腹膜炎を発症させた」などと手術をしたメディカルセンター側の
過失を認め、約9600万円を支払うよう命じた。
転院先のセントラル病院側に対する請求は
「直ちに腹膜炎を疑うのは困難」として棄却した。
医療事故を巡っては、県警が06年、2病院の医師3人を業務上過失致死や
同傷害容疑で書類送検したが、水戸地検はいずれも嫌疑不十分で不起訴処分とした。
判決によると、酒井さんは2002年12月、メディカルセンターで
早期胃がんと診断され入院。同26日に手術を受けたが、麻酔の際、
医師が誤って脊髄(せきずい)を傷つけ、下半身マヒ状態になった。
さらに手術で執刀医が誤って腸に穴を開け、その後の縫合も不十分なままだったが、
下半身マヒの治療のためセントラル病院に転院を勧め、同院には
「術後に問題はない」などと引き継いだ。
酒井さんは同院に転院したが、食べ物などが腹腔(ふくくう)内に漏れ出すなどして
腹膜炎を発症し、03年1月6日に死亡した。
裁判でメディカルセンター側は「過失はなかった」などと主張していたが、
犬飼裁判長は「腹膜炎に注意するよう転院先に依頼する義務があるのに怠った」とし、
下半身マヒについても「麻酔ミスで脊髄(せきずい)を損傷し、明らかに
注意義務に違反する過失がある」と全面的に退けた。
閉廷後、酒井さんの妻は「自分が認めてほしかったことを、判決は
ほとんど認めてくれた。すごくありがたい」と涙ぐんだ。
判決を受け、メディカルセンター側は「内容を慎重に検討し、対応を決める」、
セントラル病院側は「当法人に対しては妥当な判決」とコメントした。
読売新聞 2010年9月14日
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=30808 スレ立て依頼
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