ナイジェリア・アクワ・イボム州(CNN) ナイジェリア南東部のアクワ・イボム州で、
子どもや女性が魔女と名指しされ、虐待されたり追放されたりするケースが相次いでいる。
牧師らは、疫病や貧困がはびこるのは魔女のせいだと主張し、
魔女とされた人物は浄化しなければならないとの教えを広める。
特に地方では、子どもが最大の犠牲者になっている。
夜明け前、村の人たちがきょうだい3人を取り囲み、母親が涙を流しながら
自分の子どもたちを追放する光景に遭遇した。
子どもたちは、黒魔術を使って幼い兄弟2人を殺したとされていた。
こうした子どもの救出活動を展開しているサムさんは、
「もし私がいなければ、子どもたちは川に投げ込まれたり、
生きたまま焼き殺されたりしていたかもしれない」と話す。
サムさんは、子どもたちは魔女ではないと母親らを説得しようとしたが信じてもらえず、
自身が運営する児童養護施設に子どもたちを連れて行った。
施設で暮らす200人近い子どもは、全員が魔女とみなされて家族から追放されたという。
5歳のゴドウィンちゃんは、母親が死亡したのはゴドウィンちゃんのせいだと牧師に責められたという。
親類に問い詰められ、「否定したら殴られて、自分が母親を殺したと告白させられた」とサムさんは話す。
殴られたり熱湯をかけられたりした傷跡を持つ子どもも多い。
サムさんの話では、魔女信仰が児童虐待に結びつくようになったのは10年ほど前からだという。
地元の非営利組織(NGO)関係者は「宗教指導者が金目当てに保護者の無知に付け込んでいる」と指摘する。
魔女から解放するための儀式と称して300〜2000ドル相当を要求する牧師もいるという。
しかし地元自治体は、サムさんや児童保護NGOの活動の方が金目当てだと批判。
児童保護の新法によって、ほとんどの問題は解決したと主張する。
しかし同法ではまだ1人も訴追されてないことも認めた。
今でも同地では、毎晩のように儀式の悲鳴が響き、魔女追放が行われている。
ソース:CNN.co.jp
http://www.cnn.co.jp/world/AIC201008260005.html