◆普天間移設の遅れ「深刻な影響ない」米太平洋軍司令官
来日中のウィラード米太平洋軍司令官は24日、東京・赤坂の
米国大使館で朝日新聞などと会見した。
普天間移設と沖縄駐留海兵隊のグアム移転が、両国の合意した
2014年までに完了しないとしても「重大な戦略的結果を招くことはない」
と語った。
司令官は、「もともと8千人の海兵隊とその家族を14年までにグアムに
移転するというのは、非常に楽観的なスケジュールだった」と述べた。
さらに、この問題が両国で多くの政府機関を巻き込む複雑な
状況にあることを指摘し、「無数の決定のうちのどれかに遅れをきたしても、
この目標達成は危うくなる」などと、難しさを強調した。
期限に間に合わなくても戦略面での打撃は小さいとする一方で
「米軍が14年にまだ普天間にいて、海兵隊がまだ沖縄に駐留していたとしたら、
日本国民、沖縄県民はそれをどう思うだろうか」などと語り、在日米軍再編で
目指した「双方の要望を満足すること」が難しくなるというマイナス面を示唆した。
米政府は14年のグアム移転完了を目指す姿勢は崩していないものの、
グアムのインフラ整備のために遅れる可能性のあることを認めている。
一方、中国が西太平洋に米空母が進出することを阻止するために
開発していると言われる対艦弾道ミサイル(ASBM)について、司令官は、
「すでにテストが繰り返し行われ、おそらく運用可能な状態に
非常に近づいている」と初めて明らかにした。
ASBMは中国が構築しつつある、いわゆる「アクセス拒否」能力の
中核をなすもので、これが実戦配備されれば米国の戦力投入能力に
かなりの影響が出るとの指摘もある。(編集委員・加藤洋一)
asahi.com 2010年8月25日
http://mytown.asahi.com/areanews/okinawa/TKY201008240555.html