奈良市歌姫町で7月20日、アルバイト店員の米沢良子さん(66)が自宅で殺害された事件で、
殺人容疑で逮捕された無職男性(40)について、奈良地裁が勾留(こうりゅう)を取り消す決定を
し、男性が今月4日夜に保釈されていたことが5日、わかった。勾留期間中に殺人容疑で逮捕された
容疑者が釈放されるのは異例という。
男性とともに同容疑で逮捕された米沢さんの無職の長女(42)についても弁護側が5日、勾留決定に
対し準抗告を申し立てた。
奈良地検の発表によると、地裁は「警察官は先月20日から男性を拘束し、実質的に逮捕と同じ状態で
約7日間、強制的に取り調べた」とし、「勾留請求の前提となる逮捕手続きに重大な違法(行為)があった」
と判断した。
地検によると、男性と長女は遺体発見時、米沢さん宅の別の部屋にいたため奈良県警が同日から任意で
事情聴取。逮捕される27日まで2人はホテルで寝泊まりし、部屋の外で警察官が監視していたという。
奈良地検の徳久正次席検事は「一部事実誤認しているところもあり、検察としては不満は残るが、
被疑者をいったん釈放し、本件捜査を継続すべきと判断した」とコメントした。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100805/crm1008052129031-n1.htm