7月6日(ブルームバーグ):アイルランドの金融機関から不動産ローン関連の
不良債権を切り離す国家資産管理機関(NAMA)、いわゆるバッドバンクは、
事業計画で想定した「ストレスシナリオ」の下で、最大8億ユーロ(約880億円)の
損失を存続期間中に計上する恐れがある。
NAMAは6日公表した最新の事業計画で、「中心的なシナリオ」の下での利益見通しを
10億ユーロに下方修正した。昨年10月の事業計画案では55億ユーロと予想していた。
一方、「楽観的なシナリオ」の下では39億ユーロの利益を見込んでいる。
フランク・デーリー会長は記者会見で、金融機関が当初提供した情報は
より厳しい評価を前提としたものではなかったため「失望している」と述べ、
融資に関する当初の想定は「不正確で誤ったものだった」と指摘した。
政府の金融業界救済策の一環として、NAMAはアイルランド銀行やアライド・アイリッシュ銀行
など国内金融機関から当初の価値で約810億ユーロ相当の不動産ローン債権を買い取る。
このうち、利益が見込まれるのは全体の25%前後と従来の見積もり(40%)から大幅に下方修正された。
NAMAのブレンダン・マクドナー最高経営責任者(CEO)は「金融機関が
情報を意図的に開示しなかったとは考えていないが、彼ら自身が
債権の質から目を背けており、ひどい現実を認めたがらなかった」と説明した。
ソース:Bloomberg.co.jp 更新日時: 2010/07/07 11:48 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=ahzbq5PJEIKg