日本で暮らす日系ブラジル人に生活に必要な情報を提供しようと、豊橋署と県警教養課などは、
豊橋市中岩田のNPO法人豊橋ブラジル協会が運営するインターネットラジオ局「ラジオニッケイ」で、
日本の法律や交通ルールなどの広報活動を始めた。
「ムイントプラゼール(皆さん、初めまして)」。豊橋市中岩田のラジオニッケイのスタジオで16日夜、
県警教養課のポルトガル語通訳、中原晶子巡査長(27)の流ちょうなポルトガル語が響いた。
その後、自己紹介に始まり、交通ルールの解説や地域の防犯情報の提供など今後の放送スケジュールを
ポルトガル語で説明した。
この広報活動は、豊橋署が豊橋ブラジル協会に呼び掛けたのがきっかけ。
番組の司会者は、ブラジル人の取り調べなどの際に通訳をしている中原巡査長を充てた。
毎月第3金曜の午後8〜8時30分、中原巡査長がポルトガル語で日本の刑法や交通ルール、
違法薬物問題などを分かりやすく説明。ラジオニッケイのホームページ(HP)から全世界に同時配信もされる。
HPには、市内に暮らす1万人近い日系ブラジル人だけでなく、近隣の浜松市などのほか、
不況で帰国を余儀なくされたブラジル人など、日本での生活経験のあるブラジル・サンパウロ市の
日系2世などからアクセスがあるという。
中原巡査長が番組中、HPの掲示板に書き込まれた質問にその場で答える「ライブ感覚」も特色の一つだ。
豊橋ブラジル協会の鈴木ギダ副理事長は「110番のかけ方も知らないという日系ブラジル人は多い。
文化の違いから、トラブルに巻き込まれることもあり、日本の警察官がポルトガル語で解説してくれるのは心強い」
と話している。
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