【バンコク西尾英之】タイ選挙管理委員会は12日、アピシット首相が率いる与党・民主党に
違法献金が行われたと認定し、検察当局に対し同党の解党を求める告発を行うことを決めた。
タクシン元首相派の「反独裁民主戦線」(UDD)に対する軍の強制排除が失敗に終わり、
アピシット政権が苦境に陥ったのを受け、選管は急きょタクシン派にすり寄り、
反タクシンの民主党に厳しい決定を下したとの見方が出ている。
民主党の不正献金疑惑は05年の総選挙時、民間企業から約2億6000万バーツ
(約7億8000万円)の違法な選挙資金提供を受けたというもの。UDDが選管に調査を申し立てた。
UDDは今月、「調査が不当に引き延ばされている」として選管の建物に押しかけ、
早期の処分決定を要求。選管側は「20日までに決める」と答えたとされるが、12日、
その期限よりも1週間も早く、解党処分を求めて告発することを決めた。
タクシン派政権の最大野党「国民の力党」は08年12月、選挙違反で憲法裁判所から
解党処分を受け、同派政権の崩壊につながった。民主党に対する解党処分は今後、
検察当局の判断を経て憲法裁で審理されるため、処分の最終決定には長期間かかる見通し。
現時点で民主党の解党が決まったわけではないが、UDD幹部は12日、占拠中の
バンコク繁華街の演壇で「我々の勝利だ」と気勢を上げた。
強制排除の失敗を受けてアピシット首相は12日、UDDに提案した「年内下院解散」の
スケジュールを、「6カ月以内の解散、年内総選挙実施」に繰り上げる検討に入った。
しかし勢いづくUDDはあくまで即時解散、総選挙実施を求めて繁華街占拠を継続する構えで、
混乱収拾のめどは立っていない。
ソース…毎日.jp
http://mainichi.jp/select/world/asia/news/20100413k0000e030053000c.html