昭和54年に79歳で死去した古典落語の名人、三遊亭円生の名跡襲名をめぐって、
弟子の三遊亭円丈(65)と孫弟子にあたる三遊亭鳳楽(ほうらく)(62)がともに名乗りを上げ、
3月17日、東京・浅草の東洋館で“円生争奪戦”の落語会を開催することになった。
「昭和の名人」とうたわれた六代目円生は落語協会会長を長く務め、昭和天皇の前で落語を演じたことでも知られる。
晩年には「真打ち大量昇進問題」などをめぐって一門と落語協会を脱退。
その弟子は、昨年亡くなった三遊亭円楽一門と、その後、落語協会に復帰した円丈らに分かれた。
円生の名跡は長く継ぐ者がいなかったが、円楽が生前、弟子の鳳楽を指名、
早ければ、今秋にも七代目円生の襲名が決まるのではないか、とみられていた。
ところが、月刊『正論』3月号(2月1日発売)の記事で、塚越孝フジテレビアナウンサーのインタビューを受けた、
円丈が「鳳楽くんの円生襲名に異議あり!」として、自ら七代目襲名に手を挙げたことで、後継者争いが混迷。
円丈は「もし円生争奪杯が開催されるんだったらぼくも立候補しますよ。そして絶対に勝つ」と発言。
開かれた形で決着をつけることを提案した。
“挑戦状”をたたきつけられた形の鳳楽も、落語会の開催を承諾。
「直接対決」による“円生争奪戦”が実現することになった。
当日は、お互いが円生が得意としたネタ(演目)の落語を1席掛けて、関係者を交えた対談も行われるという。
円丈は、「こうした会を2、3回やれば、どちらが円生襲名にふさわしいか、わかるはず。
それで、遺族の方などに襲名の話をすればいい」。一方の鳳楽は「争奪戦ではないが、とりあえず1回やりましょうと。
私は『妾馬(めかうま)』をやる予定です」と話す。
思わぬ形で実現した落語会だが、ファンが望む形で、派を超えた“熱い高座”が展開されそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100206/tnr1002060036000-n1.htm