大相撲初場所中の泥酔暴行問題で渦中の横綱・朝青龍(29)=高砂=が、近く警視庁の
事情聴取を受ける可能性が30日、高まった。
警視庁麻布署が、事実関係を確認するため事情を聞く方向で検討を開始。現役横綱の
事情聴取は相撲界にとって重大なイメージダウン。昨年3月には大阪市内でも暴行騒動を
起こしていたことも発覚し、日本相撲協会は2月4日にも処分を決める理事会を開くが、
解雇はもはや決定的な事態に突入した。
朝青龍の泥酔暴行問題で、重大な事態が発生した。
警察の事情聴取を受ける可能性が高まった。16日早朝に知人男性を東京・西麻布の路上で
暴行し、鼻骨骨折など全治1か月の重傷を負わせた今回の問題。
麻布署は当初、被害届が出されれば事情を聞く方針だった。
この日、師匠の高砂親方(元大関・朝潮)は両国国技館に武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)を
訪ね、被害男性との示談の成立を報告した。理事長は「示談書は見ていないが、口頭で
示談したと報告を受けた」と明かした。関係者によると示談金は数千万円という。
しかし、神聖であるはずの大相撲の横綱が犯した前代未聞の不祥事。同署は社会的な
影響を考え、示談や被害届に関係なく、被害者、現場にいた関係者から事情を聞いた後に
朝青龍から事情聴取したいと方針を転換した。
現役横綱が出頭して事情を聞かれれば、立件のあるなしにかかわらず相撲界の名誉を
大きく傷つけたことになる。相撲協会はこれまで、力士暴行死事件の元時津風親方の
山本順一被告や、大麻問題では元露鵬、元白露山らを警察の処分の有無を問わず
解雇してきた。前例にならえば、出頭を要請された時点で解雇は決定。さらに踏み込めば
横綱の金看板を著しく汚した行為は重大で、協会の懲罰規定で解雇より上の退職金の
支払いがない除名処分もありうる状況も出てきた。もはや朝青龍の力士生命は途絶えたも
同然となった。
しかも、新たな暴行騒動も発覚した。昨年3月の春場所中、大阪・北新地のクラブで
居合わせた客に暴行を働いたというのだ。被害者とは和解し問題は表面化しなかったが、
今回の泥酔暴行問題の余波で、複数の協会幹部がこの件で事実関係を把握したことが判明。
ある幹部は「今回の件は言ってみれば再犯。もうどんな弁解も通じない。他の理事も
同じ気持ちだと思う」と明言。別の幹部は「早く辞めてほしい。仮にこのまま朝青龍がいたら
協会がもたなくなる」と悲鳴を上げた。
処分を決める理事会は2月4日に開く定例の会合を予定している。ただこの非常事態により、
朝青龍が処分を待たずに自ら引責して引退届を出す可能性も出てきた。
近い関係者は「横綱は腹を決めている」とも証言。引退か解雇か、あるいは除名か。
いずれにしても、朝青龍の土俵人生は完全に千秋楽を迎えた。
http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/sumo/news/20100130-OHT1T00267.htm