★辞任教授は対策委員 山梨大セクハラ 大学側、被害発覚で外す
山梨大の60代の男性教授が、研究室の助手を務める20代の女性にセクシュアルハラスメント
(性的嫌がらせ)行為などをしていた問題で、教授がセクハラ行為などを認めた期間中、ハラス
メント行為を検証する同大キャンパスハラスメント防止対策委員会委員を務めていたことが、
4日分かった。対策委は、女性からの届け出を受けて事実関係の調査に入る前、教授を委員
から外したという。一方、同大が対策委で懲戒処分を検討していながら教授の辞表を受理した
ことについて、学内から「甘い対応だった」という声が上がっている。
同大によると、対策委は学内における学生などへの人権侵害を防止するための広報活動、
ハラスメント行為に関する相談が寄せられた事案についての事実確認の調査を実施。委員は
「良識がある人物かどうか」などを基準に選定していて、同大によると、教授は2005年4月
から08年3月まで委員を務めていたといい、セクハラ・パワハラ行為を認めた時期と重なる。
女性は07年7月、同大に相談し、08年3月に対策委は事実関係を調査することを決め、当時
の委員長の判断で教授を委員から外したという。委員の一人は「(教授は)委員を務めていた
立場なので、どのような行為がハラスメントに当たるか、十分分かっていたはずだ」と話している。
教授は同大大学院医学工学総合研究部に所属。直接指導する立場にあった助手の女性に
対し、06年1月から07年7月までの約1年半、体を触るセクハラ行為を繰り返したほか、
数回にわたって出張や昼食への同伴を強要する立場を利用したパワーハラスメント行為を
するなどしていた。教授は事実関係を認めている。
一方、同大は対策委が懲戒処分を検討していながら、教授が提出した辞表を受理、今月1日付
の退職を認め、退職金が支給される見込み。同大が「引責辞任する教授の意思を尊重した」と
説明している点について、職員の一人は「対策委の調査結果が出るまで、辞表は一時預かりとし、
きちんと処分すべきだった」と話し、対応に問題があったと指摘する。
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2009/08/05/5.html