強殺事件 米兵に無期懲役判決
去年3月、横須賀市でタクシーの運転手の男性を殺害したとして強盗殺人などの罪に
問われたアメリカ海軍の一等水兵の男に、横浜地方裁判所は30日「遊ぶ金を得る
目的の犯行で動機は身勝手だ」などとして無期懲役の判決を言い渡しました。
アメリカ海軍の一等水兵オラットゥンボウスン・ウグボグ被告(23)は、横須賀基地から
脱走中の去年3月、横須賀市で東京のタクシー運転手、高橋正昭さん(当時61)を
包丁で刺して殺害したとして、強盗殺人の罪などに問われました。
検察側が無期懲役を求刑したのに対して、ウグボグ被告は「『彼を刺せ』という声の
指示に従ったもので殺すつもりはなかった」と証言し、弁護士も「当時は善悪を判
断する能力を失った心神喪失の状態だった」と無罪を主張していました。
判決で横浜地方裁判所の川口政明裁判長は「周囲の人は幻聴の話を聞いたことがなく、
犯行に適した場所にタクシーを誘導するなど完全な責任能力があったと認められる」と指摘しました。
そのうえで「遊ぶ金を得る目的の犯行で動機は身勝手だ。『声』に命じられたとウソの弁解
をし反省をしているとは受け取れない。基地周辺の住民だけでなく一般の国民にも大きな
衝撃を与えた」と述べて、無期懲役の判決を言い渡しました。
高橋の兄の博光さん(71)は「極刑にしてもらいたいという気持ちに変わりはありませんが、
求刑が認められたので厳粛に受け止めています。被告にはこれ以上裁判を長引かせないで
もらいたい」というコメントを出しました。
ウグボグ被告の弁護士は「検察側の主張だけを認めた判決で、厳しい量刑であり遺憾だ。
控訴するかどうかは、本人の意思を尊重して決めたい」と話しました。
横須賀市の吉田雄人市長は「二度とあのような悲惨な事件が起きないよう、
アメリカ海軍に対し綱紀粛正を求めるとともに、安全で安心な街づくりを積極的に推進していきたい」
というコメントを出しました。
在日アメリカ海軍司令部は「日本の司法制度に全幅の信頼を置いており、
公正な判決が下されたと確信している。水兵やその家族が地域社会のよりよき
一員となるよう引き続き様々な教育訓練を行い、綱紀粛正をはかっていく」とするコメントを出しました。
ソース:NHK神奈川のニュース 2009年7月30日 22時34分更新
http://www.nhk.or.jp/yokohama/lnews/02.html タクシー運転手殺害、米兵に無期懲役
去年、神奈川・横須賀市でタクシー運転手の男性が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われた
アメリカ兵のオラットゥンボウスン・ウグボグ被告に、横浜地裁は30日、求刑通り、無期懲役の判決を言い渡した。
弁護側は「犯行は幻聴の影響」だとして、責任能力を争っていたが、横浜地裁は責任能力を認めた。
ソース:日テレNEWS24 < 2009年7月30日 19:17 > (動画あり)
http://www.news24.jp/articles/2009/07/30/07140664.html http://www.news24.jp/pictures/2009/07/30/090730080_188x141.jpg