タイ陸軍の報道官は3日、カンボジアと帰属権を争う、
世界遺産のクメール寺院遺跡「プレアビヒア」周辺の両国国境未画定地域で同日午前、
両国軍が交戦したと述べた。午後にはより大規模な衝突が起きたとの情報がある。
報道官は、カンボジア軍兵士約20人がタイ領内に「侵入」、撤収を警告した後、
カンボジア側が最初に発砲したと主張している。交戦は複数の個所で数十分続き、
ロケット弾、機関銃や迫撃砲も投入された。タイ軍に死亡者はいなかったとしている。
カンボジア政府の報道官は、交戦の事実を確認し、複数の同国軍兵士が死亡したと述べた。
衝突後、タイ軍兵士が撤退したとも主張した。
交戦の現場は同寺院から約3キロ離れた地点。両国軍の衝突は昨年10月以来、初めてだが、
今回交戦が起きた地点は前回と同一となっている。10月の交戦では、兵士4人が死亡していた。
寺院は昨年7月に世界遺産に指定されていた。両国はこの後、係争地帯から両軍を後退させ、
一時的に両国共同でこの地帯を管理するなどの暫定策で合意しているが、国境線画定では進展がないままとなっていた。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200904030024.html