「クレジットカードで現金化」をうたい文句に、クレジット契約で買わせた新幹線回数券などを
無許可で買い取っていたとして、愛知県警中村署は19日までに、古物売買業「ビズメイト」
(大阪市北区堂山町)の実質的経営者(36)と同社名古屋支店長(34)の2人を古物営業法
違反(無許可営業)の疑いで近く逮捕する方針を固めた。捜査関係者が明らかにした。
捜査関係者によると、2人は同県公安委員会から古物商としての許可を受けていないのに、
2月中旬から3月上旬ごろにかけて、名古屋市内に住む男女5人の客から、新幹線回数券や
家電製品を計約50万円で買い取った疑いがある。
こうした業態の業者のなかには、多重債務者にカードを作らせ、限度枠まで買わせた物品を
購入額より安く買い取る実質的なヤミ金業者もいるという。同社も多重債務者にカードを
作らせていたことがあったといい、回数券などを「古物」ととらえて摘発に乗り出す必要が
あると判断した。
同社は「ジャンプ」の屋号で、JR名古屋駅周辺や名古屋・栄地区に「ショッピング枠を有効
活用」と書かれたプラスチック製の捨て看板を多数設置。電話をかけてきた客に対し、回数券や
家電製品、ブランドバッグなどの高額商品をクレジットカードで購入させ、購入額の8割前後で
買い取って現金を渡していた。
同署は3月上旬、「ジャンプ」の看板を電柱やガードレールにくくりつけていたとして、名古屋
支店長を屋外広告物条例違反の疑いで現行犯逮捕し、本社と名古屋支店などを捜索して実態解明を
進めていた。同社は大阪、福岡、沖縄の各府県でも看板を多数設置していたという。
法人登記簿などによると、同社は08年6月に設立。古物売買業やリサイクルショップの経営が
目的で、インターネット上での求人募集では「ブランド品、金券等の各種買い取りを行っている
総合商社」と称していた。名古屋市によると、「ジャンプ」の看板は08年8月ごろから急増。
同市は名古屋駅周辺などで多数の看板を撤去したが、すぐに張り直され、住民から苦情が出ていたという。
http://www.asahi.com/national/update/0319/NGY200903190010.html http://www.asahi.com/national/update/0319/NGY200903190010_01.html