農林水産省と愛知県は27日、愛知県豊橋市のウズラの飼育農家で、ウズラ2羽が
高病原性の鳥インフルエンザに感染した疑いがあると明らかにした。欧州や韓国で確認されて
いる高病原性のH7亜型のウイルスが確認された。国内でH7型の発見されたのは初めて。
ただ、この農場では1羽も死亡しておらず、同省は弱毒性の可能性が高いとみて遺伝子
分析を急いでいる。
国内の家畜農家で、高病原性の鳥インフルエンザウイルスが確認されたのは、07年
1〜2月に宮崎県と岡山県の感染以来。
この農場は32万羽のウズラを飼養する大規模な採卵農家で主に卵を出荷している。
32万羽のうち28万羽程度が殺処分の対象となる見込み。一帯は全国有数のウズラの卵の
生産地で、高病原性のウイルスが確認されたことで、農水省などは家畜伝染病予防法の
防疫指針に基づき、半径10キロ圏内の養鶏場や養鶉場(ようかくじょう)を対象に、鳥や卵、
飼料の移動を制限する。10キロ圏内には鶏やウズラの家畜農家が65戸あり、456万羽を
飼っている。卵などが市場に流通する心配はないが、移動制限が長期化すれば、ウズラの
卵の供給に影響が出る可能性もある。
愛知県の定期検査で、18日に採取した10羽の血清のうち2羽で抗体陽性の反応が25日に
出た。25日に愛知県が改めてこの農場で簡易キットや遺伝子を検査した結果、いずれも陰性
だったが、18日の検体をウイルス分離して茨城県つくば市の動物衛生研究所で分析した
ところ、27日午前にH7亜型と特定された。
国内のこれまでの高病原性鳥インフルエンザはH5型だけ。H7型は02年にイタリア、06年
にオランダ、07年には韓国で確認され、最近では昨年12月にデンマークで報告されている。
昨春、青森、秋田両県境の十和田湖や北海道のサロマ湖で渡り鳥のハクチョウの死骸
(しがい)から相次いでH5N1型のウイルスが確認されたのを受け、都道府県の検査体制が
強化され、100羽以上飼う家畜農家が対象となった。
http://www.asahi.com/national/update/0227/TKY200902270112.html