・おいしいかきもち、音で分かる 富山県食品研究所が水分量の判別ソフト開発へ
富山県食品研究所(富山市)は、富山特産のかきもちの適正な水分含有量を音で判別する
技術を開発した。水分量は食感や味を決める重要な条件だが、これまで熟練した従業員の
勘に頼っていた。同研究所は従業員の手間を省くことで効率的な生産につながると意欲
を見せている。
かきもちの完成品に含まれる水分量は20−30%が適正で、歯ごたえのある食感と焼き
上がり時の膨らみにつながっている。製造現場には巨大なベルトコンベヤー式乾燥機が
あり、切り分けられたもち生地は下から吹き上がる温風で水分を蒸発させ、この後に網で
焼き上げる。
乾燥時の水分保有量は、ぱりっとした食感やおいしさにつながるかきもち作りの重要な
条件で、工場では熟練の技術を持つ従業員が乾燥途中のもち生地を取り出して指で曲げ
たり、乾燥前と比較した水分量を計算している。
こうした確認には一時間以上を費やすこともあり、個人の高い技術が要求された。
そこで同研究所の加藤一郎副主幹研究員は、硬いものが落ちると高い音が、軟らかいものが
落ちると低い音が出ることに着目し、砺波と南砺の工場二カ所にマイクを設置して、もち生地
同士がぶつかる時の音を記録する実験を行った。
その結果、四種類の高さの音がもち生地の適度な乾燥状態を示すことが分かった。
同研究所では現在、生地同士がぶつかる音から、乾燥が完了したことを計算して製造者に知ら
せる判別ソフトを作り、製造の現場に導入することを目指している。
実験に取り組む加藤副主幹研究員は「全国に誇れる富山のかきもちの生産効率化を目指し、
現場でのソフト実用化につなげたい」と話している。
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http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20090203201.htm