18日の北京五輪野球1次リーグで日本はカナダを1−0で下し戦績を3勝2敗とした。
悲願の金メダルに向け厳しい戦いが続く日本だが、代表チームの公式スポンサーを務める
新日本石油も「夢をつかみ取ってほしい」と熱い声援を送っている。
「見ている観衆が熱くなるような試合を」
「おれも仕事頑張る 日本代表頑張れ」
「侍スピリッツを世界へみせてやってくれ」
代表チームの公式ホームページには、これまでに約5万件のアクセスがあり、
約5000人からメッセージが送られた。日本中の期待が込められたメッセージは
冊子にして幹部が現地に飛び、代表チームに届けるという。
指宿祐一広報部長は「プロの中でもえりすぐりの選手が選ばれている。
日本を代表するのにふさわしいチーム」と、“星野ジャパン”に期待を託す。
新日石と野球のかかわりは60年近くに及ぶ。終戦直後の1950年に当時の日本石油が
従業員の結束と求心力を高めようと、野球部を創設した。野球部は社会人野球の
強豪チームとして、都市対抗野球で優勝8回を誇り、プロ野球選手も藤田元司氏(巨人)や
平松政次氏(横浜)ら多数を輩出している。
99年に三菱石油と合併した新会社をアピールしようと、2001年に日本代表の
公式スポンサーとなった。
五輪の本番では企業名を出すことはできないが、アジア予選などで選手が着用する
ユニホームの左袖に新日石のブランドロゴを入れることができるほか、広告やテレビCMで
代表選手の写真や画像、代表チームのロゴを使用する権利を得ている。
ただ、支援はプロ選手を集め、注目度の高い五輪代表だけでなく、学生や女子など
すべての代表チームが対象だ。指宿部長は「長年、かかわってきた野球文化を通じて、
社会還元するのが目的」と説明する。少年野球の育成などにも力を入れており、
「次世代を担う少年には『星野ジャパン』を夢のシンボルとして応援してほしい。
そしていつかあの場所に立ちたいという目標にしてほしい」と話す。
プロ野球はテレビ視聴率が低迷するなど人気凋落(ちょうらく)が言われて久しいが、
五輪は、北京で公式種目から野球が消えることもあり、最後の金メダルに対する
国民の期待は大きい。悲願を達成して帰国すれば、スポンサーとして
大きな広告宣伝効果が期待できる。
五輪代表チームの人気について、日本スポーツエージェントの古屋博史代表は
「五輪などの国際試合は、優れた選手が選抜された豪華チームで、夢を抱くことができる。
国同士の対抗戦で、分かりやすいことも大きな魅力」と指摘する。
低迷が言われるプロ野球への波及効果も期待されるが、古屋代表は「試合をゆったりと
観戦できるような球場づくりなど、魅力を高め、ファンを引きつける努力が欠かせない」と、
一層の奮起を求めている。(佐竹一秀)
フジサンケイビジネスアイ
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