知的障害のある従業員の年金を着服していたとされる広陵町の家具製造販売会社の
元社長らに対して奈良地裁はきょう懲役2年の実刑判決を言い渡しました。
判決を受けたのは、広陵町で家具の製造と販売をしていた大橋製作所の
元社長・大橋浩三被告43歳と経理を担当していた姉の吉本恭子被告44歳です。
判決によりますと、2人は、2004年から去年4月にかけて知的障害のある従業員の
障害基礎年金などあわせておよそ1000万円を引き出し会社の運営資金に充てたとして業務上横領の罪に問われていました。
また、大橋被告は、およそ20万円の賃金を支払わなかったとして労働基準法違反の罪にも問われていました。
きょうの判決で奈良地裁の松井修裁判官は「犯行は計画的で何回も繰り返されており悪質である。
さらに、被害者の信頼を大きく裏切った」として大橋被告に懲役2年と罰金20万円、
そして、吉本被告に懲役2年のそれぞれ実刑判決を言い渡しました。
きょうの判決を受けて大橋製作所の元従業員らは会見を行いました。
この中で、元従業員を支えてきた弁護士は、司法の判断としてきょうの判決は「妥当だ」と語りました。
しかし、長年にわたり大切なお金を奪われ続けた被害者の気持ちは、満たされるものではないようです。
元従業員らは「社長を許すことはできません」「2年って短いと思います」などと語り今後、
未払い賃金の返還や行政の責任などを問うために民事訴訟を起こす方針です。
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