県内の児童相談所や市町村窓口が処理した児童虐待相談件数が2007年度は1091件に上り、
過去最多になったことが6日、県の調べで分かった。
05年度から児童相談所だけでなく市町村でも相談受け付けを始めたことから、児童相談所への
相談はいったんは減少に転じたが、07年度は市町村、児童相談所両方で相談が増加し、初めて
1000件を超えた。増加傾向について専門家は親の経済的貧困が影響していると分析し、家族
への支援体制強化を求めている。
児童福祉法の改正で、市町村は05年4月1日から窓口を設置し相談受け付けを開始した。
05年度が528件、06年度は563件、07年度651件と右肩上がりで増えている。
http://ryukyushimpo.jp/uploads/img4849d7f58be6a.jpg 一方、那覇市(中央)と沖縄市(コザ)にある児童相談所への相談は05年度は451件だったが、
市町村移行後の06年度は364件まで減少した。ところが07年度は再び440件まで増え、市町村
と合わせた件数は前年度より164件増えた。
児童相談所に寄せられた07年度の相談内訳は、ネグレクト(養育放棄)が前年度より49件増え
最多の38・6%、次いで身体的虐待が34・3%、心理的虐待が22・3%、性的虐待が4・8%と続いた。
主な虐待者は実母が53・9%、実父が25・2%、実父以外の父が7・3%、実母以外の母が2・0%、
その他11・6%。
相談増加について県青少年・児童家庭課は「児童虐待への認識が広まり、通報が増えたのではないか」
と指摘する。児童虐待問題に詳しい加藤彰彦沖縄大教授は「失業や低賃金など親の経済的貧困が
深刻化している。親の精神的ゆとりがなくなり子どもをほったらかしたり、ストレスを向けたりしている」と
分析した。
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