八幡浜市の名物「ちゃんぽん」を全国へ――。ちゃんぽんを使った町おこしに取り組む八幡浜商工会議所青年
部と、松山市の製めん会社が協力して「八幡浜ちゃんぽん」を初めて土産物として商品化した。今月からインター
ネットによる通信販売を始め、7日には松山空港での販売も始まった。関係者は「全国に八幡浜の名前を発信する
きっかけにしたい」と意気込んでいる。
八幡浜ちゃんぽんは、1940年代に八幡浜の食堂で提供され始めたとされる。キャベツやニンジン、豚肉など
手頃な具材を使い、徐々に家庭の味としても定着。同青年部の菊池史行副会長(37)は「どこの家庭や食堂にも、
当たり前のようにある存在」と話す。
菊池さんが中心となり、同青年部がちゃんぽんを生かした町おこしを始めたのは06年。当時、ご当地グルメが
ブームだったこともあり、「市民の味を商品化できないか」と検討したが、市内にはちゃんぽんを提供する食堂が
約40店もある。中立な立場の商工会が、特定の店に商品化を依頼するわけにもいかず、頭を悩ませていた。
そんな中、同青年部と親交があった製めん会社「愛麺(あいめん)」(本社・松山市)から昨年9月、「うちで
商品化させてほしい」との打診があった。「パッケージに朝市など八幡浜の観光情報を載せたいとの提案を受け、
まさに渡りに船でした」と菊池さん。
愛麺の平田啓恵(ひろえ)専務(52)は「八幡浜は当社の発祥地。八幡浜を前面に出した土産物として、地元
の活性化に一役買いたかった」と話す。
約4カ月の開発期間を経て完成した「八幡浜ちゃんぽん」は、めんとスープ、ラードのセットで3食入り800円
(税込み)。太めんに、鶏ガラやいりこなどで取ったあっさり味のスープが絡む。仕上げに使うラードがスープに
コクを加え、味に深みを与えている。
今年1月、スーパーのフジ(本社・松山市) の県内の5店で帰省客をターゲットに約200個を試験販売した
ところ、好評だった。これを受け、愛麺は同社のホームページ(http://www.aimen.jp/)で
今月から、通信販売を始めた。7日からは松山空港の売店で販売。今後は、JR駅や松山観光港などにも販路を
拡大させたい考えだ。
http://www.asahi.com/food/news/TKY200803080148.html