ベトナムやインドなどの新興国の株式や国債、ファンドが京都の証券会社や金融機関で
人気を集めている。中国に偏るチャイナリスクを懸念してアジアで分散投資しようとの狙いで、
高い経済成長の伸びが人気に反映されているようだ。
新興国で人気が出ているのは、中国に次いで日本企業の投資が伸びているベトナム、
インドを中心としたアジア新興国の商品。アジアの他にも経済の伸びが期待される
ロシアや東欧などの国債や株式に関心が高まっている。
地場の西村証券(京都市下京区)では最近、新興国の商品が大きく伸びている。今年4月に
取り扱いを始めたベトナムなどアジア諸国による「アジアインフラファンド」は、一気に250口座
を獲得。人気のインドに焦点をあてた商品もすでに200口座を獲得するなど右肩上がり。
高利率のトルコの国債も注目が高いという。
これらの商品を説明するセミナーも定期的に開催し、毎回盛況という同社の無相大拙常務は
「インフラの伸びる時期が最も成長率が高い。中長期の投資を見越し、高い利益を求め、
新興国の商品を研究する人が増えており、今後も伸びる」とみている。
金融機関でも新興国のファンドの人気が高い。りそな銀行では、アジアの新興国に的を絞った
セミナーを7月に四条大宮支店(中京区)で開いた。同支店では「インドや東南アジアの商品に
問い合わせが多くセミナーを企画した。中国に偏らないリスク分散の意味で関心が高まっているのではないか」
(営業担当)と分析している。
証券業界関係者によると、北京オリンピックを前にして中国の食品安全問題などのリスクが浮き彫りと
なっているのも新興国人気を後押ししているという。中国の金融商品が高止まりをみせている中で、
新興国の商品の存在感は今後も高まりそうだ。
ソース:京都新聞 2007年8月17日(金)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007081700042&genre=B1&area=K10 画像:アジアなどの新興国の金融商品を紹介するセミナー。高利率が望める商品が顧客の人気を集める(京都市下京区・西村証券)
http://www.kyoto-np.co.jp/static/2007/08/17/P2007081700042.jpg