政府は9日、高価なナマコやウニを狙った密漁(無許可操業)が各地で多発して
いることを受け、無許可操業の罰則規定の上限を引き上げる方針を固めた。
罰金は現行の「10万円以下」から20倍の「200万円以下」に、懲役は「6か月
以下」から「3年以下」にそれぞれ引き上げる。
水産庁は、根拠法となる漁業法の一部改正法案を今通常国会に提出し、3月に
策定する2007年度からの次期水産基本計画にも盛り込む。
水産庁によると、都道府県の許可を得ずに漁業を行う無許可操業の検挙件数は、
2000年の224件から、05年には3倍近い648件に増えた。北海道などの養殖
ナマコを素潜りで密漁し、高級水産物の需要が伸びている中国などに持ち込んで
組織的に売りさばくなど、悪質な事例が増えているという。
同庁では、漁業関係者から密漁の厳罰化を求める声が出ているうえ、資源状況が
悪化する懸念もあると判断し、1983年に定めた現行の罰則規定を見直すことに
した。
次期水産基本計画には、沿岸や沖合での資源管理を高めるため、「違反操業の
監視・取り締まり能力の向上」を掲げる方針で、その具体策となる。
YOMIURI ONLINE(読売新聞)
ナマコ・ウニの密漁多発、罰金上限を20倍に引き上げ
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070210i301.htm