◆勝ち組・負け組くっきり…「新春ドラマ」座談会
平成19年の初頭を飾る連続ドラマは、明暗が分かれた。
視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)20%超えを2本そろえたTBSに対し、
初回はいずれも15%に達しなかったフジテレビ。
日本テレビが主演に担ぎ出した視聴率女優も、20%超えを連発する「ハケンの品格」の
篠原涼子に対し、「演歌の女王」の天海祐希はひとけたに沈んだまま。
「勝ち組」と「負け組」。何か世相を表したような“新春の陣”についてまとめた。
デスク 「やっぱり、初回に27・7%を記録した『華麗なる一族』から始めようか」
記者A 「俳優陣やセットの豪華さから、TBSの力の入れようはひしひしと伝わってきた。
ただ、劇中に出てくるコイやイノシシ、肖像画がどこか安っぽくて、
ドラマの重厚な雰囲気との落差が激しい」
記者B 「音楽がうるさいのが気になる。曲が悪いわけじゃなく、繊細に挿入してほしい。
批判もあるけれど木村拓哉(SMAP)はやはり視聴率を稼げるね」
デスク 「ベストセラーものでも『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』は苦戦しているね」
記者C 「主人公が涙をボタボタこぼすのは引いてしまう。
原作のリリー・フランキーの独自の世界を表現するのが難しいんだと思う」
A 「原作ものでは、『わるいやつら』は悪女三部作の最後なんだけれど、米倉涼子に飽きちゃった部分はあるね」
C 「今回、一番面白いのは『ハケンの品格』でしょう。まず、タイトルの勝利だね、見たいと思った。
クレーン車を動かしたり、マグロの解体をしたりと設定は無理があるけれど、
篠原の格好良さが20〜30代の女性にはたまらないのだろう」
B 「大泉洋の起用も当たったね。(出身地の)北海道では初回27%(札幌地区)いったらしいよ」
C 「逆に大誤算だったのが、『演歌の女王』だろうね。
脚本の遊川和彦ら『女王の教室』のスタッフが結集しただけに、
今回もブームを巻き起こすかなと期待していたんだけど。
いろいろ笑わせようとしているけれど、きりっとした印象が強い天海にこのキャラクターは似合わない」
B 「この枠は最近、『女王の教室』『野ブタ。をプロデュース』『マイボス マイヒーロー』などの
大ヒットを連発しているが、若者層に受けてきたんだろう。今回演歌を持ってきて、
視聴者層を広げたかったのかもしれないが、読み違えたとしか思えない」
A 「読み違えといえば、フジの低迷は深刻だね。『今週、妻が浮気します』は、筋が予想できてしまうし、
倉本聰脚本の『拝啓、父上様』はドラマらしいドラマなんだけど、笑いがもう少し欲しい。
黒木メイサの使い方も中途半端」
B 「視聴率はよくないかもしれないが、神楽坂という舞台もいいし、微妙な感情もうまく描かれている。
倉本ファンは満足しているよ」
デスク 「他に気になることは」
C 「最近、1話完結っぽい連ドラが多すぎる。
1週見逃しても、話が分からなくなることはないだろうが、次の週はどうなるのかとワクワクできないのは寂しい」
画像:
http://www.iza.ne.jp/news/newsphoto/entertainment/television/16326/fullsize/ iZa(イザ!) by 産経新聞社 02/08 21:34
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