「ひろしまドッグぱーく」(広島市佐伯区湯来町)に残されていた犬の救助をしていた
大阪市の動物愛護団体「アーク・エンジェルズ」=AA、林俊彦代表(59)=が、
全国の愛犬家などから集めた寄付金の総額が、AAが公表した約六千万円を
大幅に上回り、少なくとも一億一千万円以上だった可能性があることが
三十一日分かった。林代表は「経理担当のボランティアに任せており、
総額は知らなかった。確認したい」としているが、不明朗な会計は批判を呼びそうだ。
AAは十二月十一日にドッグぱーくで記者会見し、寄付金の総額を
六千二十五万八千七百六十三円と公表。内訳はネット銀行の入金分
二千八百五十三万円、郵便局二千六百三十一万円に雑入金などを加えたものと
説明していた。自らのホームページでも報告している。
しかし、複数の関係者によると、AAが犬の救助に入った九月二十六日以降、
ネット銀行には少なくとも五千万円以上、郵便局にも六千万円を超える入金があり、
総額は一億一千万円をさらに上回る可能性が強いことが分かった。
また、AAは会見で、ネット銀行からは約四百八十万円を支払いのために引き出し、
郵便局口座からの引き出しはないとしていたが、郵便局からは二度にわたり
計約四千万円が下ろされていたことも分かった。
こうした不明朗な金の流れについて広島県警も把握しているもようだ。
ドッグぱーくをめぐっては、十一月十五日に林代表が、三十一匹の犬を
虐待したとして犬の管理者だったドッグプロダクション代表(42)を
動物愛護管理法違反の疑いで刑事告発し、県警が受理。十二月一日には同園の
土地の所有者である会社経営男性(64)が、林代表を恐喝未遂の疑いで広島西署に
告訴状を提出した。
ひろしまドッグぱーく問題
2005年6月に経営難のため閉園した施設で、多数の犬が衰弱したまま
残されていたことが06年9月に明らかになった。アーク・エンジェルズ(AA)や
ボランティアが支援に入り、500匹以上いた犬は市民が引き取るなどした。
AAは06年末に撤退したが、寄付金の大半は残っているとされ、不明朗な会計に
関係者などから批判が相次いでいた。
ソース:The Chugoku Shinbun online
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200701010136.html